■WEEKLY TOUR REPORT 米ツアー・トピックス

12月30日は、タイガー・ウッズ(アメリカ)の誕生日だった。41歳を迎えた彼の周辺は、最近になってちょっぴり騒々しかった。20歳でプロに転向して以来、21年間トップを走り続けてきたウッズが、"人生の第二章"と呼ぶこれからの時間をどのように想定しているのか、少し考察してみたい。

 第一は、選手としての復活である。

「ジャック(・ニクラウス)のメジャー18勝という記録を塗り替えることは、諦めていない」と、自身メジャー14勝のウッズは今後もメジャー勝利を目指していくことを断言している。

 そして、昨年12月には自身がホストを務めるヒーロー・ワールドチャレンジで15カ月半ぶりに実戦復帰。心配されていた腰のケガの痛みもなく、4日間をフルに戦った。

 結果は出場18選手中(うち1名は棄権)、15位。優勝した松山英樹(24歳)とは14打差と、決して満足のいく成績ではなかったが、2日目にはボギーなしの「65」という好スコアをマーク。また、同組で回ったパトリック・リード(26歳/アメリカ)、リッキー・ファウラー(28歳/アメリカ)ら若手をオーバードライブして見せるなど、いまだパワーに衰えがないことを証明した。

「まだまだ僕は十分に戦える。そう思わなかったら、戻ってこなかった」

 ウッズ自身、そう語って自らのプレーに手応えをつかんでいた。

 そんな"現場復帰"を果たしたウッズに対して、アメリカのゴルフファンが寄せる期待はすこぶる大きい。なかでも、いち早く反応したのが、ラスベガスのスポーツブックメーカーだ。

 2017年の「マスターズ優勝予想」を早々に発表。ウッズのオッズは、復帰前の60/1から20/1へと急上昇した。これは、2012年、2014年大会の覇者バッバ・ワトソン(38歳/アメリカ)、2013年大会の勝者アダム・スコット(36歳/オーストラリア)に並ぶもので、2016年の全英オープンを制したヘンリク・ステンソン(40歳/スウェーデン)の25/1よりも上回っている。それだけで、ウッズへの期待の大きさがわかる。

 気になる2017年の初戦だが、ウッズは現状、2月16日に開幕するジェネシス・オープン(2月16日〜19日/カリフォルニア州、リビエラCC)への出場は正式に表明している。これは、本年度からタイガー・ウッズファウンデーションが同大会を運営することになったからでもあるが、開催されるリビエラCCは1992年にアマチュアだったウッズが初めてPGAツアーに出場したコース、ということもあるのではないか。

 ただ、ウッズはいまだ同コースでの勝利はなく、「不得意コースのひとつ」と言われている。11年ぶりに同コースで行なわれる試合に出場するウッズが、今回はどんなプレーを見せてくれるのか、興味深いところだ。

 それより以前となると、カリフォルニア州で開催されるファーマーズインシュランス・オープン(1月26日〜29日)に出場するのではないか、と伝えられている。というのも、舞台となるトーリーパインズGCは、ウッズが幼少の頃、ジュニア大会で何度も勝利を飾っているコースで、同大会では2005年〜2008年の4連覇を含めて通算7勝をマーク。さらに2008年、最後にメジャー大会を勝った全米オープンも同コースで開催されており、ウッズが「最も得意とするコース」と言えるからだ。

 ファーマーズインシュランスで弾みをつけて、ジェネシス・オープンへ。それが、ウッズの次なる復帰構想となるのではないだろうか。

 一方で、コース外でもウッズは精力的に活動を開始した。

 まず、クリスマス休暇の直前には、次期大統領に選出されたドナルド・トランプ氏と、現在ウッズが住んでいるフロリダ州の、ウエストパームビーチで一緒にラウンドをした。

 コースはもちろん、トランプ氏が運営するトランプ・インターナショナルGC。ここで両者が膝を突き合わせてじっくりとプレー。どんな話がなされたのかは不明だが、ともにビジネスマンとして、今後のお互いの展開を話し合っていたとしても不思議ではない。

 トランプ氏が大統領に就任する頃、ウッズはイリノイ州シカゴ郊外で新しいプロジェクトを開始する。これは、南シカゴの再開発の一環で、現在あるジャクソンパークGCにウッズ設計による18ホールのチャンピオンコースを誕生させるというもの。パー3コースも併設して、シカゴエリアの17歳以下のジュニアには、平日の朝や夕方、週末も午後2時以降は無料で開放するという。

 この地に、「タイガー・ウッズ」の名前が入ることは非常に大きな意味を持つ。市の関係者がこう語って、同コースへの期待を膨らませる。

「(ここには)まだまだゴルフを知らない子どもたちがたくさんいる。タイガーというヒーローの名前を見れば、きっとクラブを握りたくなると思う」

 ちなみに、米フォーブス誌が最近公表したウッズの資産は、およそ740ミリオン(7億4000万ドル=約873億円)。アメリカのセレブ7位にランクされた。この自己資本をもとにゴルフビジネスを展開させていけば、それはゴルフ界にとっても、非常に有益なものになるはずだ。

"人生の第二章"は、プレーヤーとビジネスマンの二足のわらじを履くことになるウッズ。プレーヤーとしては、20代、30代の頃とは違ったスタンスで臨むことになるだろう。そうした中で、プレーヤーとしても、ビジネスマンとしても、両方に成功することができれば、ジュニアにも、ミドルエイジにも、そしてシニアにも、さまざまな夢を与えることができるに違いない。

 とにもかくにも、ハッピー・バースデイ、タイガー! 2017年が素晴らしい1年になりますように。

text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN