家族や親せきが集まり、家でゆっくり過ごすお正月。いいものだね、と思っているのは男性だけかもしれません。元旦の夜、はてな匿名ダイアリーに「正月の男尊女卑」という記事が投稿され、話題になっていました。

投稿者の女性は、正月の恒例になっている親戚の集まりが苦痛で仕方ないと愚痴っています。「女性が全ての支度をして、テレビを見ながらお酒を飲む男性陣に振る舞う」という状況で、くたびれた油で揚げたカキフライを屈辱感とともに食べ、

「それを幸せなお正月とする場にいなければならない停滞感」
「そして食器を下げて洗い物をする」

など、言葉すべてにやり場のない怒りがにじみ出ています。(文:篠原みつき)

自分より稼ぎの少ない兄に「なにもできないくせに。無能が」と心中怒り

主婦である筆者は思わず「わかる〜」とつぶやいてしまいました。「寝正月」といえば平和な響きですが、三度三度家族の食事を用意して、毎回後片付けをしなくてはならない正月休みは正直言って憂鬱です。しかし私などまだいいほうで、いわゆる「本家」に嫁いだ友人などは、年末から手作りおせちの準備・ひっきりなしに来る親戚のおもてなしで正月はまったく休む間がないといいます。

投稿者は独身の様子でしたが、同じことです。親せき一同「料理・配膳・片づけすべて女の仕事」が当たり前の状況。怒りの矛先は父や叔父・従兄弟たちよりも「兄」に向けられ、何もしないで先に食べるばかりか「なにもせずにいて恥ずかしくない」と洗い物も拒絶する兄に、心中こう毒づきます。

「おそらくは私の方がたくさん稼いでいて、残業もしていて、日頃から家事をしているのに。(中略)なにもできないくせに。無能が」

稼ぎがいい自分のほうが下に見られてこき使われることに、自己嫌悪に陥りながらも怒りが抑えきれない様子でした。

これには「むっちゃわかる」と共感する人や、「男性を代表して心より謝罪と感謝を申し上げます」など多くのコメントが寄せられ、はてなブックマークが500以上ついていました。正月でなくとも、バーベキューや鍋パーティーなど、社内行事で女ばかりが準備・片づけをする男尊女卑をウンザリしながら思い出す人も。

女性が男性の領域に入っていっているほどには、男性は女性の領域に入ってこない

一方で批判的な意見もあり、「料理や皿洗いなんて男でも女でもできる上に何故だか女のほうが手際がいいのだから無理に男にやらせるのはリソースの無駄遣いだ」というコメントも。力仕事や洗車、PCの修理など男性向けの仕事は頼んでくれればやるのだから、「『私のほうが稼いでる』なんて可愛げのないことは言わずにうまく使って欲しい」といいます。

しかし「女のほうが手際がいい」のは経験値の違いによるだけで、コックや板前は男性のほうが多いのですから、言い訳に過ぎません。しかも男性が何かやるためにいちいち「上手く使って」とは、心底甘えた要求です。

投稿者は「男は代わりに〜をするから女は家事をしてほしい」という意見に対し、「なんとなく合意がとれていればアリだと思います。ただ個人的にはPC関係は自分で対処するし車は都心在住でほとんど無縁だし、」とした上で、

「女性が男性の領域に入っていっているほどには、男性は女性の領域に入ってこないように感じています。だから、合意が成立しにくいかも?」

と冷静に答えていました。結局、「自分ばかりが押し付けられるのは不公平」という気持ちが怒りを噴出させてしまうのではないでしょうか。

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