ミスで口座に約10億ルピーが振り込まれた女性(出典:http://mashable.com)

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ある日突然、自分の銀行口座に大金が振り込まれていたらどうするだろうか。驚きながらも誰にも言わず自分のものにしてしまいたい欲望に駆られる人もいるだろう。しかし、インドのこの女性は違った。その女性が取った行動は…。

インドのウッタル・プラデーシュ州に暮らすシータル・ヤーダブ(Sheetal Yadav)さんは、数週間前にATMに行き口座残高を確認した。すると、自分の口座に今まで見たこともない大金が振り込まれていたのである。

振り込まれていた金額は約10億ルピー、日本円にして約17億円であった。この金額を目にしたヤーダブさんは当然ながら驚愕した。しかしそれはすぐに恐怖に代わり、隣にいた人に残高が表示されたレシートを見せ数字を確認してもらわなければならないほどだったという。

目の前の金額が信じられなかったヤーダブさんは別のATMに行き再度残高を確認した。「ひょっとしたら違う金額が表示されるかも」と思ったのだ。しかし、どのATMに行っても表示されるのは同じ金額であった。

そこでヤーダブさんは直接銀行を訪れたが、「支配人がいないので後で来てくれ」と言われてしまった。律儀にもヤーダブさんは時間を置いて再度銀行に足を運び支配人に事情を説明したが、支配人は「ウチには関係のないことだ」と答えるのみ。

ヤーダブさんは夫のジレダー・シング(Ziledar Singh)さんに相談し、少なくともこれが何らかのミスによるものだと明らかになることを願い、夫と共にインドのナレンドラ・ダモダルダス・モディ(Narendra Damodardas Modi)首相宛てに「自分たちはこのような大金を手にすることはできない」という旨を書簡で伝えた。

ヤーダブさんは、月に5,000ルピー(約8,600円)の収入しか得ておらず、日々細々と暮らしている。彼女の銀行口座は財務省のモディ首相が推進するフィナンシャル・インクルージョン・プログラム「PM Jan-Dhan Yojana(ピーエム ジャン・ダン ヨハナ)」によって開設されており、ヤーダブさんのような低収入の人々には政府の補助金が口座へ自動的に振り込まれる仕組みになっている。

現在のところ、なぜ10億ルピーもの大金がヤーダブさんの口座に振り込まれたのかは明らかにされていないが、彼女の正直さは称賛に値するものだといえよう。

出典:http://mashable.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)