ロッテ『スイーツデイズ 乳酸菌ショコラ』(「Amazon HP」より)

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●チョコレートは消化に悪い

「お腹の調子が悪い時にチョコレートを食べてはいけない」と言われたことはないだろうか。チョコレートは脂肪分が多く、胃での滞留時間が長くなるため、消化が悪い食物の代表として認識されている。消化が悪い原因はチョコレートの主成分であるカカオではなく、その脂肪分であるが、胃の調子が悪い時にはチョコレートを控えるほうが良いということは、一般的な認識だろう。

 また、チョコレートは、親が子供に食べさせたくないお菓子としても、常に上位に位置している。含まれる糖分と脂肪分が多く、虫歯や肥満の原因にもなるためである。

 もちろん、大人の我々だって(大人だからこそ)、健康のためには控えたほうが良いだろう。そんなことは百も承知であるものの、チョコレートの消費量は、実は年々増えている。体に良くないとわかってはいても、なかなかやめられないのがチョコレートの魅力なのだ。ちょっとした罪悪感を持ちながら、少しずつ食べてはその味わいをかみしめる喜びは、チョコレート好きにはたまらないのではないだろうか。

●チョコレートの消化の悪さを逆手に取ったアイデア商品

 そんななか、チョコレートを食べる「罪悪感」を大きく軽減してくれる商品が出た。ロッテの『スイーツデイズ 乳酸菌ショコラ』だ。乳酸菌をチョコレートで包み込むことで、乳酸菌を生きたまま腸に届けることができるという画期的な商品だ。チョコレートで包まない場合に比べて100倍の乳酸菌を腸に届けられるというから驚きである。単純にチョコレートを食べるのに比べ、チョコレートを食べながら、体に良い乳酸菌を摂れると考えると、圧倒的に手を伸ばしやすくなるのではないだろうか。

●乳酸菌の効果

 乳酸菌といえば、腸内環境を整える働きがあるだけでなく、アトピー性皮膚炎の改善や、花粉症の予防・軽減、コレステロール値の低下にも効果的ということで、最近高い注目を集めている。乳酸菌により腸の活動を整える「腸活」という言葉もできたくらいだ。

 ただし、乳酸菌の弱点は、熱と酸に弱いこと。37度で強酸性の胃酸が渦巻く胃袋の中はまさに乳酸菌にとっては最悪の環境であり、せっかく摂取してもそのほとんどが腸に届く前に死滅してしまう。

 この商品が実現した背景にあるのは、これまでチョコレートの弱点とされていたその消化の悪さだ。つまり、「胃で消化されない」というチョコレートの弱みを強みに変えたからにほかならない。

 また、常温保存が難しい乳酸菌を、1年間常温で保存することを可能とした技術も、商品開発を後押しした。つまり、いつでもどこでも、おいしく乳酸菌を摂ることできるようになったのである。

●売上絶好調

 発売以降売上は好調で、当初計画の140%で推移するとともに、半年で20億円の売上を記録した。半年間のうちに、日本人の約18人に1人が購入した計算だ。500種類の商品がしのぎを削るチョコレート市場においては、破格の売れ行きである。これこそ、チョコレートの弱みを逆手にとることで強みにかえた、アイデア商品ではないだろうか。

 ただし、食べすぎには要注意。必要な乳酸菌を摂取するためであれば、ひと箱食べる必要はない。何しろ、ほかの乳酸菌食品の100倍近く腸まで届くのだ。健康に良いからといって摂りすぎると、カロリーの取りすぎで逆効果になる。ご参考まで。
(文=星野達也/ノーリツプレシジョン取締役副社長、ナインシグマ・ジャパン顧問)