浮気なフランス人男女の
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 ヌーベルバーグの次世代の旗手として注目を集め、1960年代から現在まで活躍を続ける名匠フィリップ・ガレル監督の最新作「パリ、恋人たちの影」は、互いに浮気をしてしまう一組の夫婦を通し、愛の痛みと歓びをモノクロームで軽やかに描いた作品だ。

 夫・ピエールの才能を信じ、二人三脚でドキュメンタリー映画を制作する妻・マノン。映画制作に行き詰まりを感じていたある日、ピエールは若い研修生のエリザベットと偶然出会い、恋に落ちる。あるときエリザベットは、予期せずピエールの妻マノンが浮気相手と会っているところを目撃する。

 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの歌姫・ニコの公私にわたるパートナーでもあったガレル監督は、自身の恋愛や人生を作品に反映させ、愛の痛みを描きつづけている。共同脚本に「昼顔」「ブルジョワジーの密かな愉しみ」など、様々な形の愛を描いてきた巨匠ジャン=クロード・カリエール、撮影監督はエリック・ロメール、ルイ・マルと組んできたレナート・ベルタと、映画界を牽引してきたスタッフが集結した。

 恋愛映画のスペシャリストたちが作り上げた本作を一足早く鑑賞した漫画家・コラムニストの辛酸なめ子氏は「男女のもめ事や修羅場を淡々とこなすフランス人の恋愛ポテンシャルに完敗です」と評し、同じくコラムニストの山崎まどか氏は「割れ鍋に綴じ蓋的なしょうもない男と女の不思議な縁を こんなにつややかに、魅惑的に、愛おしく描くなんて。脱帽です」と絶賛している。

 妻に支えられながらも、映画製作が上手く行かず、若い女との浮気に走る夫と、夫を支えながらも信じていたはずの愛を見失い、自身も浮気に走ってしまう妻。2016年の日本は著名人の婚外恋愛が騒がれた1年だったが、新年は浮気なフランス人男女の愛の行方をスクリーンで楽しむのはいかがだろうか。

 「パリ、恋人たちの影」は、2017年1月21日シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。