富士通テンは「ECLIPSE」(イクリプス)ブランドより新タイプのAV一体型ナビ3タイプ6機種を2016年12月上旬より発売開始した。

 

ラインナップは、ドライブレコーダー機能を内蔵するDシリーズ「AVN-D7」、ドライブレコーダー機能はない代わりに通信ユニットを同梱するSシリーズ「AVN-S7」、そのどちらも持たないベーシックなRシリーズ「AVN-R7」の3タイプ。いずれも7型ワイドVGAディスプレイを装備し、それぞれ幅200mmのワイド2DINと幅180mmの2DINタイプが選べる。

 

この中でもっとも注目すべきモデルが、ドライブレコーダーを内蔵したDシリーズ、通称「録ナビ」だ。

↑Dシリーズ「AVN-D7W」(幅200mm)

 

Dシリーズには、ドライブレコーダー用カメラを付属し、カーナビ本体と接続して撮影した映像を専用のマイクロSDカードに記録できる。機能的には一般的なドライブレコーダーとほぼ同じで、衝撃を感知した際には前後20秒間の動画映像を自動保存する「イベント記録」が可能。

↑ドラレコ用カメラをセットアップしたところ

 

通常時はエンジンを起動すると自動的に録画をスタートし、メモリーがいっぱいになれば古い順に上書き。手動記録にも対応し、この映像は上書きされない。その他、別売のバックカメラを組み合わせることで後方の映像を同時記録できる機能も搭載した。

↑付属のカメラで前方を撮影し、バックカメラを追加することで後方も記録可能

 

↑「画像から選択」でサムネイル映像と日時から希望のシーンが探せる

 

撮影した映像をカーナビ上で再生することはもちろんだが、Wi-Fi機能を使ってスマートフォンに転送することも可能で、貴重な映像をスマートフォン内に保存しておけるというわけだ。また、機能そのものをカーナビに一体化しているため、外に出ているのはカメラ部分だけというシンプルさも大きな魅力。これは防犯上のメリットにもつながると見ていいだろう。

↑Wi-Fiを介して送信されたデータは、スマホ内の専用アプリ「DR Viewew A」で受信し保存できる

 

↑スマホ内に保存されたデータは、再生しながら位置情報も同時に確認できる

 

ドライブレコーダーとしての画質はかなりハイレベルだ。モニター上に映し出される映像は車両のナンバーはもちろん、歩行者の表情までもしっかり捉えている。明るさが変化するシーンでも白飛びが確かに少なかった。また、映像フレーム数も28フレーム/秒となっているので、西日本地区でのLED信号にも問題なく記録できるはずだ。総じて映像クオリティとしては満足できるレベルにあると判断できる。

↑先行車のナンバープレートをクッキリ捉え、夜間でもヘッドライトで照らされた風景を鮮明に映し出せる

 

↑街中ではクルマの状況だけでなく、歩行者の表情までもわかるほど鮮明だ

 

カーナビ機能は全機種ともプラットフォームそのものを見直し、インターフェースも含めたすべてが一新された。CPUにはトリプルコアを搭載し、動画を再生しながらナビ操作をしてもスムーズな動作を実現。地図のフリック(スクロール)、ピンチ(拡大・縮小)などにも対応し、指を軽くなぞるだけで軽快に動作する。これはまさにトリプルコアがもたらした恩恵と言えるだろう。

↑複雑な交差点では周辺をイラストで詳細に見せてガイドする

 

目的地検索では結果を出すまでに1〜2秒ほど待たされるものの、表示されたリストの動作はスムーズそのもので、使っていてストレスはまったく感じさせない。住所検索では各都道府県の下にある“郡”を省いて町村名で並べられ、番地の数字入力や50音入力での“曖昧検索”にも対応しているのも評価できる。また、目的地検索では全機種とも通信による“つながるナビ”機能を活かした『CarafL』にも対応。クラウドベースの目的地検索が利用可能となっている。

↑“つながるナビ”機能のひとつ『CarafL』ではクラウドベースの目的地検索ができる

 

ルートガイド中の案内は、都市高速での入口案内や複雑な分岐点でこそ3D表示を行うが、一般交差点では拡大を表示するのみだ。しかし、分岐点までのアプローチもバーグラフと距離表示でガイドするのでわかりにくさは感じない。また、従来から搭載していた一時停止などの交通標識の表示も継続して搭載。見知らぬ土地へ出掛けたときの安心感は大きい。

↑入口付近が分かりにくいことが多い都市高速入口では詳細なイラストでガイド

 

位置精度も満足できるレベルにあり、都市高速と一般道が並行する道路での正確な現在地も表示し、地下の周回路から出発した場合でのズレもほとんど発生しなかった。ただ、23区内の一般道での高低差認識には対応できていない様子だった。本機は準天頂衛星「みちびき」にも対応する仕様となっており、今後、衛星が規程数になることで安定度はさらに高まることが期待できる。

 

また、新たに「VICS WIDE」への対応をイクリプスとして初めて果たし、より多くの情報の下、より高精度なルートガイドが可能となる。さらに災害発生時は気象・津波情報に火山噴火を加えたすべての特別警報(地震を除く)をポップアップで提供。電波によるスピーディな表示を可能としている。

 

AV機能では、地デジ(12セグ/ワンセグ)は安定した受信ができる4チューナ×4アンテナ方式を採用し、DVDビデオ再生が可能なDVD/CDドライブやAM/FMラジオ、Bluetoothオーディオにも対応する。CDのリッピングはSDカード上に最高4倍速で行え、通信機能を使って取り込んだ音楽ファイルの曲名情報などを付与できる。

↑Bluetoothオーディオ再生中は、ジャケット写真こそ対応していないがタイトルなどのテキスト情報は表示可能

 

そのほか、パーキング時にドライバーをアシストする「カメラ機能拡張BOX」もオプションで用意した。これはリアビューカメラの機能を高めるために用意されたもので、バックアイカメラ「BEC113G/BEC111」を接続することで3つの駐車支援機能(「進行方向予測線」「障害物検知」「視点切り替え」)を追加できる。最近は純正ナビでこの機能の普及が進んでおり、市販ナビでこの機能が追加できる魅力は大きい。

↑別売のパーキングアシスト・カメラ機能拡張BOX「BSG17」を使うと障害物検知をはじめ、進行方向予測線の表示や視点変換も行えるようになる

 

もはや自動車の必需品ともなりつつあるドライブレコーダーだが、後付けタイプは運転開始時に録画を忘れたり、いざという時に操作に困ってしまうこともあるだろう。その点、カーナビ一体型であれば、普段ナビを使う感覚で使用できるので、誰でも手軽に利用できる。最近は高齢者による運転事故も相次いでいるので、大切な家族のために取り付けてあげるのもいいだろう。