「電気自動車の新しいカタチ」の日産ノートe-POWERは新しい技術じゃないってホント?

写真拡大 (全7枚)

シリーズハイブリッドという技術自体は以前からある

ノートがマイナーチェンジで搭載したパワートレイン『e-POWER』について、日産では「電気自動車の新しいカタチ」としてアピールしている。ただし、外部充電機能を持たないためにノートe-POWERが走るときには排ガスを出すことになり、ゼロ・エミッションではない。

また、車両型式の頭につく自動車排出ガス規制の識別記号(以下、排ガス記号)は『DAA』となっており、公的にはハイブリッドカーの一種である。ちなみに排ガス記号ではゼロ・エミッションの電気自動車(乗用)は「ZAA」、水素を使う燃料電池車(乗用)は「ZBA」となる。

さて、ハイブリッドシステムの分類において、エンジンを発電専用に使い、モーターだけで駆動するシステムを「シリーズハイブリッド」と呼ぶ。小型乗用車として、シリーズハイブリッドを量産化したのは、日産ノートが初めてといえる存在であり、その点においては「新しいカタチ」であるといえるだろう。

ホンダのオデッセイやアコードもほぼモーターのみで走るHV

ただし、トヨタ・プリウスやホンダ・オデッセイなどに搭載されている「シリーズパラレルハイブリッド」は、部分的にはエンジンで発電し、モーターで駆動するといった走行モードを持ち、シリーズハイブリッド的フィーリングを味わったことがあるドライバーは意外に多いだろう。

とくにホンダがオデッセイとアコードに搭載している「スポーツハイブリッドi-MMD」でハイブリッドモードと呼ばれる走行状態はエンジンで発電用モーターを動かし、駆動要モーターに電気を供給するという仕組みになっており、市街地走行ではかなりの領域ではシリーズハイブリッドとして走っている。

さらに、外部充電の可能なプラグインハイブリッド車の代表といえる三菱アウトランダーPHEVも高速走行と急加速時以外はほとんどモーターだけで駆動しているといえる。システムとしてシリーズハイブリッドを採用した国産乗用車は日産e-POWERが唯一といえるが、実際にシリーズハイブリッド的に走っているクルマは少なくない。

また、プリウスを始めとしたトヨタハイブリッドカーの変速機構を便宜的に「電気式無段変速機(電気式CVT)」と呼ぶが、これはエンジン出力から駆動輪までの間に置かれた発電用モーターと駆動用モーターを、CVTの入力軸プーリーと出力軸プーリーになぞらえたもの。

つまり、日産e-POWERは、より純粋な電気式CVTのカタチという見方もできるのだ。

(文:山本晋也)