園子温監督の独特の感性が発揮されている『アンチポルノ』/[c]2016 日活

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行定勲、塩田明彦、白石和彌、園子温、中田秀夫…日本を代表する5名の監督により“日活ロマンポルノ”が復活した、「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」。

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その分かりやすい特色として、10分に1度描かれるエロ描写(=濡れ場)が真っ先に思い浮かぶが、その一方で、間接的にテーマを表現したアーティスティックなシーンも多数織り込まれているのが“ロマンポルノ”たる所以といえるだろう。

例えば、中田秀夫監督の『ホワイトリリー』(2月11日公開)は、タイトル通り、女性同士の性愛がテーマ。主人公のはるかが、アシスタントとして仕える陶芸家・登紀子の性器を愛撫するシーンでは、白百合の花を女性器に見立て、生々しいシーンでありながら、女性の美しさを際立たせている。

園子温監督の『アンチポルノ』(1月28日公開)では、監督のアナーキーな作家性が爆発した1本。売れっ子アーティスト・京子の生活や過去が次第に明らかになる本作は、ほぼ全編黄色と赤の極彩色の部屋でストーリーが展開。本作自体が虚構と現実が織り交じった世界観となっている。

また、本能を剝き出しにした男女の駆け引きを描いている塩田明彦監督の『風に濡れた女』(公開中)では、セックスをしながら、食べ物を貪り食う描写が!3大欲求である性欲と食欲を同等に扱うことで、本能的に求め合う男女の姿を強調しており、より印象的なシーンに仕上がっている。

肉体を曝け出した剥き出しのセックスを描くことで見えてくるものとはいったい…?直接的な表現だけではなく、その裏に隠されたメッセージに気づいたとき、より一層ロマンポルノが楽しめるはずだ。【トライワークス】