インフルエンサーマーケティング、2017年の一大トレンドに

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今、世界中で「インフルエンサーマーケティング」が関心を集めている。だが、これは具体的にどのようなマーケティングを指すのだろうか?

インフルエンサーマーケティングの定義はあいまいで、影響力を持つ人物(インフルエンサー)による公式推薦や、商品のさりげない宣伝も含まれる場合がある。

これを、高校生活に置き換えて考えてみよう。学校の廊下を歩いていたあなたは、人気者の女子グループとすれ違う。この女子グループはいわば、インスタグラム上で多数のフォロワーを持つカイリー・ジェンナーのような存在だ。

あなたはすれ違いざまに、「このファッションノバのジーンズ、すごく気に入ってるの!」というカイリーの言葉を耳にする。するとあなたは、誰もまだ知らないことを知ったような感覚に襲われる。カイリーが愛用し、クールだと思っているアイテムについて、自分は知ることができたのだ、と。

これはインスタグラムで実際に起きたことだ。低価格ブランドのファッションノバと提携したカイリーは、上述のコメント付き写真を投稿。デザイナーブランドを着なくとも、ファッションノバさえ着れば自分をスーパースターのように見せることができる、というメッセージを送ったこの投稿には、220万件の「いいね」が寄せられた。

この例は、ブランド各社が今、大金を払ってまで手に入れたい物は何かを良く示している。それは、多数の消費者に対する「露出」だけではない。もっと重要なのは、インフルエンサーとの「関連付け」だ。

これは、超人気セレブから、小さくニッチな世界のリーダーまで、あらゆるレベルで起きている。小規模な企業や店舗でさえも、対象市場に数千人のフォロワーを持つソーシャルメディア上のインフルエンサーに大金を払っているのだ。

企業はインフルエンサーを通じて、望み通りの消費者層(商品に対する関心が既にあり、注目を得られる可能性が高い人々)に的を絞った露出を実現できる。これはテレビ広告とは反対の効果だ。テレビコマーシャルはもはやバックグラウンドノイズと化しており、CMが始まるやいなや携帯電話を取り出す人は多いのではないだろうか。

インフルエンサーマーケティングはテレビ広告とは異なり、インスタグラムのフィードをスクロールする人々が広告の存在にすぐには気づかない。インフルエンサーはこうした広告で、自分の「声」を失うことなく、商品やブランドを売り込んでいる。

オンライン消費者の47%が広告ブロック機能を使っているとされる今、ブランドや企業にとってインフルエンサーの重要性はますます高まっている。企業は、人々の注目を保持できるインフルエンサーに商品の広告塔となってもらうべく、大金を支払い続けているのだ。

このトレンドは、ファッションやスポーツ、エンターテインメントといったメインストリームかつ大衆的な市場に留まらない。バスフィッシングからホットヨガ、スピリチュアリティーまで、インフルエンサーはあらゆる市場に存在している。

だが「インフルエンサーマーケティング」は始まりにすぎなく、実際に起きているのは、より広い意味での変化だ。

その変化とは、「パーソナルブランディング(自分のブランド化)」を活用する人が増えていることだ。パーソナルブランドがある人は、自身のオーディエンスを持ち、特定の世界での思想的リーダーとみなされる存在であり、他の誰も持たない「人々の注目」を持っている。

今の世には、自分が持つ価値を理解し始めたインフルエンサーがかつてなく増えている。5年前であれば、10代の子どもがインスタグラムで100万人のフォロワーを獲得するなど、到底考えられなかった。だがそうしたティーンエージャーたちは今や、大手ブランドと一人前に交渉し、単なるセールスマンにならないよう気を付けつつ契約を交わしている。

優れたインフルエンサーは、自分のユニークな情報発信の中にブランドの広告を織り交ぜる作業を特に動じる様子もなくこなす。そして、何かあればすぐにフォロワーが離れてしまうことを熟知しているため、投稿内容には細心の注意を払う。

2017年には、こうした大手ブランドとインフルエンサーとのコラボレーションは増加の一途をたどるに違いない。そして、ソーシャルマーケティングが出発点になるとすれば、次に起きるのはソーシャルメディアからソーシャルマーケットプレイスへのシフトになるだろう。