二瓶里美さん

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(台北 4日 中央社)「直接台湾に触れられる雑誌を作りたい」――今年で創刊30周年を迎える台湾発行の日本語月刊誌「な〜るほど・ザ・台湾」(なる台)の編集長を2014年から務める二瓶里美さん(45)は、同誌初の女性編集長として新しい目線で改革を進めている。

大学で中国語を専攻。商社で4年間勤務した後、1年半中国大陸の上海と天津に留学して語学力を磨いた。2005年からは日本で中国語関連の雑誌編集を担当し、中華圏の変化を追い続けた。台湾への興味が生まれたのもその頃。「なる台」が新しい編集長を募集していると聞いて、迷わず転職を決めた。

以前は台湾に駐在する日本人男性を意識した紙面作りがされていた「なる台」。当時の経営者から「好きなようにやっていいから」といわれ、改革を断行。折しも台湾旅行ブームが起きるなど環境や時代が大きく変わっていたこともあり、女性や旅行者にもターゲットを広げた。

「台湾が好きな人に、男女を意識せずに読んでもらいたい」。

これまで女性ばかりが登場していた表紙に男性も起用。創刊以来変わっていなかったロゴもスタイリッシュなものにした。フォントやタイトルも読者を引き付けやすいよう工夫。「今までのシンプルなものから遊び心を加えた」。連載記事も見直し、台湾で「買えるもの、見られるもの、体験できるもの」を対象にした読み物を増やした。

「軸は台湾を紹介すること。台湾を身近に感じられるようにした」。

改革の評判は上々。「台湾在住の女性や、若い世代の読者が増えてきた」と二瓶さんは手ごたえを語る。

近年では多くの日本メディアが台湾に注目するようになった。そんな中で「なる台」は台湾に編集部があることを生かして紙面を作る。「観光地やグルメで、点の情報だけでなく、文化や生活習慣、背景が見えてくるような情報提供は、現地編集部でしかできないのかなと思います」。

昨年11月からは本格的に日本で電子書籍の販売を開始。これまで限られた場所でしか入手できなかったが、インターネットを通じて全国から購読が可能となった。目標は「台湾通の日本人“知台”を増やす一端になれたら」。台湾に来てからではなく、台湾に来る前にも読んでもらいたいとしている。

(齊藤啓介)