「七草がゆ」は昔の人の知恵がつまった体調回復薬

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 年末年始は忘年会にクリスマス、正月など楽しいイベントが満載です。それと同時に仕事も1年で一番忙しく、そんなストレスを発散しようと大酒&大食で乗り切った人も多いのではないでしょうか?

 しかし、乗り切ったと思った正月明け、ふと仕事が始まってみると、どうも体の調子がおかしい……。年始の休み前にはなかったような不調にガクンと襲われている人も少なくないんです。酷い場合だと、そのまま春が訪れ、不調のまま5月になると今度は回復しないまま5月病に突入し、さらにその後にジメジメした梅雨まで控えているという修羅ぶり。

 「一年の計は元旦にあり」という言葉がありますが、この中で言われている“計”つまり計画には体調を整えることも含まれています。

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■目に見えない“自律神経”の存在を知っておく

 人間の体調は自律神経に支配されていると言っても過言ではありません。緊張すると交感神経が優位に立ち、リラックスすると副交感神経が優位に立ちます。健康な人はこの2つのバランスがちゃんと整っていますが、ちょっと忙しくなったりストレスが溜まっていたり、精神面でのストレスがかかるとたちまちバランスを崩して体の不調を引き起こします。

 自律神経の不調と言えば異常な発汗、動機、冷えなど、どちらかというと自分ではどうしようもないものだと思われがちですが、実は年末年始に多い胃の不調に大きく関わっています。

 緊張やストレスを感じると交感神経が優位に立つことは前述しましたが、そうなると胃酸が多く分泌されて胃壁を守っている胃粘膜の粘液を減らしてしまいます。胃壁にダメージが起こり、胸焼け、胃痛、さらに悪化すると胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎の原因となるのです。自律神経は寝不足や忙しさでも乱れるために、結果的に例え暴飲暴食していなかったとしても胃の不調を引き起こしてしまう可能性があるそうです。

 そして、胃は腸と繋がっているために、胃の調子が悪くなるとそれに引きずられて腸の不調も引き起こすのです。減ってしまうと鬱になってしまうことがわかっている神経伝達物質のセロトニンの多くは、実は腸で多くが作られているために、結果的に胃腸の不調が鬱を引き起こしてしまうというわけです。

■昔の人の知恵「七草がゆ」は体調回復にうってつけ

 つまり、ただでさえてんてこ舞いな年末年始は今まで通りに過ごしていては、結局体調を崩してしまうことに繋がる、と思っておいたほうがいいかもしれません。とは言っても時既に遅し。年も明けて4日から仕事も始まっています。 やっちゃったもんは仕方ないではなく、今後体調不良を長引かせないために「どうすればいいのか?」。

 昔の人は良く考えたものです。1月7日の朝に食べる「七草がゆ」。これには一年の無病息災を願うとともに、体調管理に関する、重要な意味も含まれています。年末から年始にかけ、自宅のみならず訪れた先でもお酒に料理と振る舞われます。さらに現代では、4日からの仕事始めで、アフター5には「新年会で居酒屋にGO!」なんて会社は多いことでしょう。

七草

 そんな疲れ切った胃腸を休めるため「七草がゆ」を食す。冬に不足しがちな青物野菜の栄養を補給し、さらには体調をリセットさせる意味もあるのです。ちなみに七草がゆに入れる七草には、健胃効果、疲労回復、利尿作用、解熱効果、解毒効果、鎮静効果、肝臓回復効果、風邪予防効果などが得られる成分が入っています。「七草がゆ」はまさに、昔の人が考えた「冬の体調回復薬」と言ったところ。

 ちょうどそろそろ「胃腸が〜」という人は、今後体調不良を引きずらないために、正月行事の中ではついおろそかにしがちな「七草がゆ」。今年の1月7日朝にはぜひ試してみてはいかがでしょうか。週明けからの本格仕事始めを前に、胃腸にも「お正月休み」は必要ですからね。

(大路実歩子)