スペシャルドラマ「愛を乞うひと」で、一人二役を演じた篠原涼子/(C)YTV

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1月11日(水)、日本テレビ系にて放送されるスペシャルドラマ「愛を乞うひと」で、主演を務める篠原涼子にインタビューを敢行。後編では、印象的なシーンや自身の演じた役柄などについて語ってもらった。

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――(豊子の最初の夫を演じた)上川隆也さんと、鈴木梨央さんの印象を教えてください。

上川さんはもう、「『大地の子』('95年、NHK総合)の感じが帰ってきた!」っていう感じです(笑)。私は本当に『大地の子』が大好きだったので、「わ〜、生で見られてる!」っていう感じでした。

もちろん違うキャラクターなんですけど、「あの役は上川さんしかできないな」って思わせてくれるくらい、本当にいいキャラクターにしてくださったというか。だから私も、豊子役を演じていてとてもやりがいがありましたね。

二人のシーンでは、「バンバン好きにやってください!」って監督が仰ったので、豊子がもう甘えて甘えてグワ〜ッてやることによって、冷静でいる上川さんがものすごく偉大に見えて、豊子が子猫のように見えるような、そういうシーンにしたいねなんて話ながらやっていました。

上川さんとは20年ぶりくらいにお仕事させていただいたんですが、「20年ぶりにやったのにこんな役でごめんなさいね」っていうふうには言いましたね(笑)。でもちゃんと、中打ち上げがあったんで、そのときにちゃんとゴマをすって「私はこんなんじゃないです!」ってお酌をしてみたりしました(笑)。

あと鈴木さんは、もう本当に天才ですよね。「あの小さい年齢でどうしてここまで理解者なんだろう」っていう。自分が小さい時はこんなんじゃなかったよなって思うくらいしっかりされていて。

現場の空気もすぐ読んじゃうし、スタッフの方には気を使いますし、「この子は本当は大人なんじゃないかな?」って思うぐらい。子供の着ぐるみを着た大人なんじゃないかって思うくらいの雰囲気がすごくしました(笑)。

でも、ケータリングで焼き肉をやった時に初めて子供っぽさを見ました。「わ〜! お肉だ〜!」って言って、走って行って食べていたんですよ。それを見た時「あ、良かった子供だ!」と思って安心しました(笑)。「うちの息子とも遊べそう!」と思いました。

――実際に完成した映像はご覧になりましたか?

私だけ見ていないんです。みんな見ているので仲間外れみたいな感じで。(スタッフは)見たのに、いいとか悪いとかあまり言ってこないんですよ。何の音沙汰もないので余計不安になってます(笑)。

もちろんスタッフの方々がものすごい力をかけてやってくださっているので、素晴らしい作品になっていると思いますけど、自分(の演技)に怖いですね。楽しみというよりヒヤヒヤしてます。

――衝撃的なシーンもたくさんあると思いますが、照恵と豊子について、それぞれの場面で「ココをぜひ見てほしい!」というシーンはどこでしょうか。

最後の照恵と豊子のシーンは、ちゃんと見ていただきたいなっていうのは(ありますね)。あと、これも照恵と豊子の二人になっちゃうんですけど、豊子と照恵が階段から転げ落ちた後のシーンですね。

あのシーンでは、初めて豊子の“心の悲鳴”のようなところをちゃんと顔で訴えているつもりだったですし、それを照恵も、それを見て感じるところなんじゃないかなって思います。

照恵は照恵で、そこで豊子を抱きしめて、「行かないで行かないで」っていう風に言ったりするのもものすごく切ないですし、そういうシーンを見ていただきたいですね。

――先ほど「台湾ロケは辛い思い出しかない」と仰っていましたが、逆に撮影以外で楽しんだことなどはありましたか。

すごくいいことがありました。私は向こうで誕生日を迎えさせていただいたんですが、その時に、スタッフの方がサプライズで、突然花火をバーンって上げてくださって。ビックリしましたね。

撮影が終わった後にいきなりヒュ〜ン、ボ〜ン! みたいな感じで花火がたくさん上がって。すごくきれいでうれしかったです。逆に本格的過ぎて、火の粉が落ちてきました(笑)。

「危ない! みんな危ない!」って言いながらも、すごくうれしかったです。

ご飯はやっぱり毎日お弁当になっちゃってたんですけど、そのお弁当が全部八角の味だったんです。もうだいぶ嫌になってきてたんですけど、日本に帰ってきたら八角が食べたくなっちゃって。あの味はやっぱりやみつきになるんだなっていう感じです(笑)。

――冒頭で「学ばせていただきました」と仰っていましたが、ご自身としては今回の作品を通してどんなことを学ばれましたか。

本当にたくさんあり過ぎますね。豊子というキャラクターを私は10年前から本当に演じてみたくて。実際にやらせていただくことが決まった時に、「できるかな〜」くらいに思っていたんですけど、やってみたらものすごく難しかったです。

そんな中で、今回ご一緒させていただいた監督が、もともと映画版の「愛を乞うひと」の助監督で付いていた方だったので、本当に(当時の)現場のこととか全部知っていて。

例えば私が思う演じ方について、本当に細かい目線で見ていてくださって。「ここをこういうやり方でやったらどうですか?」というような深い引き出しを出してくれたんです。そういうところで、自分では気付かなかった発見がいっぱいありました。

黙っている照恵のシーンでも、豊子のシーンでも、かつて助監督で付いていたからこそ、やっぱり思いが強くて。何だかすごくいろいろと、引き出しを開けられちゃったなって感じです。

「こんなんもやってみてください」「こういう角度だったらどう感じますか?」とか、「あーそっか、こういうふうに物事って考えられるんだ」と思ったり。言葉で表現するのはちょっと難しいんですけど、感覚的に学んだことはたくさんありました。

――豊子は愛するが故に子供や夫など周囲の人を傷つけてしまう役柄でしたが、そうした豊子の感情に対して共感する部分などはありましたか。

母親になると、子供のことが手に負えなくて、いら立ったりする時ってどんな母親でもあるんですね。逆にないという方がいたら私は聞いてみたいんですけど、私自身そういう部分をちゃんと持っているので、そのあたりはやっぱりすごく共感しましたね。

そのイライラは、やっぱり弱い人間にぶつけてしまう。「分かってもらいたい」っていう気持ちもあれば、「この子だったら言ったところで(言い返せない)」っていう思いとか、その叱り方が、表現の仕方が違うだけで、攻め方が違うだけで、感情は一緒なんだと思うんですよね。

そういう意味では、この作品をいろんな保護者の方とか、男女問わず見ていただいた時に「あ、これは自分に置き換えられることにもなってるかもしれないな」って感じる方もたくさんいらっしゃるんじゃないかなと感じることはありました。

――これがもし息子だったらという思いはありますか。

どうなんでしょうね?でも、男の子はお父さんに虐待されますよね。お母さんが男の子をやるって、すごく小さい頃はあるかもしれないけど、ある程度大きくなると体も大きいから出来なくなりますよね。

照恵には武則という弟がいるんですけど、豊子はその子には手を挙げないんですよ。「男の子だから」という目線もあれば、「一番愛した人の息子じゃないから」ということもあるかもしれないですけど、女同士だから余計にやりたくなっちゃうという面もあるんじゃないでしょうか。

――今回の役を演じたことで、息子さんへの接し方を考えたりした部分はありましたか。

う〜ん…、変に優しくなったりはしていないですね。ちゃんと悪いことしてくれるので(笑)。「優しくなろう!」って思っても、目の前でそれをやられたらまた、いつもの、お母さんの私になって怒っています。

でもやっぱり、離れていると分かりますよね。「こういうふうにやったらどうなんだろうな」って置き換えたりしたりするときもありますけど、でも子供にはよく「ママ怒ってばっかり」とか言われるので(笑)。そういう意味では気を付けようかなと、反省はできましたね。

――では、最後にメッセージをお願いいたします。

私はこの作品を冷静な目で見ていただきたいなと。冷静な気持ちになって見ることによって、すごく冷静にこういうことを判断したり受け止めることもできると思うんですよね。

もちろん自由な気持ちで見ていただきたいですけど、やっぱり見ている方は構えてしまいがちな作品なので、あまり構えないで見ていただけたらいいなって。

救いの話ではないんですけど、この作品を見て一人でも多くの方の救いになるといいなというか、「これは自分の話だな」と思った時に、「ああ、ダメだなこういうことじゃ」って思ってくれる人がもしいたらいいのになと思います。