「乳酸キャベツ」はどうやって作るのが正解?(shutterstock.com)

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 「乳酸キャベツ」ってなんだ? 

 人生にセオリーなし。料理に王道なし。簡単・美味しい・体に優しい・お金も時間もかけない・飽きない。キャベツならさしずめ野菜の王女様、料理の優等生、円熟才媛の女優のように愛されて宜(むべ)なるかなだ。しかし、「乳酸キャベツ」は初耳だ!

 キャベツといえばトンカツの千切りに、お好み焼きに、モツ鍋などなど、あげたらきりがないほどに普段使いの野菜の代表格。

 アブラナ科アブラナ属の多年草で語源はフランス語のcaboche(頭)。結球する性質から玉菜(たまな)、特有の甘味から甘藍(かんらん)とも呼ぶ。

 ルーツは古い。紀元前900年〜紀元前500年頃の青銅器時代にスペイン南東部で栄えたイベリア人からケルト人に伝わり、ヨーロッパ全土に広まる。古代ギリシャや古代ローマでは胃腸を調整する薬草や健康食として重用される。アテネのエウデモスが書いた『牧場論』に最初のキャベツの記録がある。

 日本で食用に普及するのは戦後。食糧増産と食の洋風化が進み、生産量は鰻上りに。1980年代に大根と肩を並べた。

簡単な乳酸キャベツの作り方とは

 さてさて、千切りキャベツを塩揉みして常温で発酵保存するだけの「乳酸キャベツ」。その作り方をざっと見てみよう。

●材料
キャベツ 1個(正味1圈
塩 小さじ4(20g)
砂糖 小さじ1/2
好みのスパイス トウガラシ、ローリエ、ショウガ、粒コショーなど

●作り方
.ャベツを千切りにする。
 キャベツの芯を取り、4等分に切って洗う。水気を切って千切りにする。芯は薄切りにする。細かく切るほど発酵しやすい。

∧歛限泙貌れて塩を揉み込む。
 ジップロックなどの密閉袋(大)にキャベツの半分を入れ、小さじ2の塩を混ぜ、袋の上からよく揉んで馴染ませる。

B泙両紊ら両手でよく揉む。
 キャベツがしんなりしてカサが減ったら、残りのキャベツ、塩、砂糖を加えてよく揉み込む。次に、好みのスパイス(トウガラシ、ローリエ、ショウガ、粒コショーなど)を散らす。

ね省な空気を抜き、重しをする。
 袋を平らにし、底から口に向けて手で押さえながら空気をしっかり抜き、口を閉じる。バットなどに入れ、1.5堋度の重し(500mlのペットボトル3本など)をのせて、直射日光の当たらない常温の場所に置く。

ノ簑庫に保存する。
 3〜6日後に発酵が進み、キャベツに酸味が出る。発酵中に時々味みをして酸味を感じたら、熱湯消毒した保存瓶に移し替えて冷蔵室に保存する。日に日に酸味やうま味が増す。食べごろは、保存瓶を開けた時に爽やかな香りがすればOK。冷蔵室で約1カ月保存できる。
食道がんの発症リスクを半減させる効果があるとする研究も

 キャベツが属するアブラナ科の野菜は、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンU(キャベジン)、イソチオシアネート、アントシアニンなどを豊富に含むため、たとえば、食道がんの発症リスクを半減させる効果があるとする研究がある(厚労省研究班による発表/AFPBB News2008年8月15日)。

 ビタミンCは風邪の予防・疲労回復・肌荒れに効果がある。ビタミンKは血液の凝固促進・骨の形成に役立つ。ビタミンU(キャベジン)は胃や十二指腸への抗潰瘍作用があるため、がんの予防・治療に有効。独特の辛み成分をもつイソチオシアネートは強い抗酸化作用をもつ。

 紫キャベツやレッドキャベツに含まれるアントシアニン(ポリフェノールの一種)は目の働きや眼精疲労を改善する。また、大根の主成分のジアスターゼ(でんぷん分解酵素)はキャベツにたっぷり含まれるため、消化促進、胃酸過多・胃もたれ・胸やけなどに有効だ。
(厚労省行政情報 食品添加物リスト www.ffcr.or.jp/...nsf/.../58c1b6daef61dfa0492568460009783..

 いかがだろう? 誰でも自宅で簡単に作れ、美味しい。そのヒミツは、植物性乳酸菌にある。キャベツに付着していた植物性乳酸菌が糖分を使って発酵し、ほのかな酸味と軽やかなうま味に変身する。

 ここで注意! キャベツが茶色を帯びたり、強烈な酸っぱい臭いや腐敗臭を放てば発酵し過ぎなので、失敗だ。「乳酸キャベツ」は、1日に100〜150gを目安に生食に近い状態で食べると体にいい。

 醤油、味噌、ぬか漬け、キムチなどと同様に、植物性乳酸菌がふんだんに含まれる「乳酸キャベツ」は、食物繊維が豊富なので、整腸作用が高く、腸内フローラとホメオスタシス(恒常性)を安定させるからだ。

 そのまま食べても美味しいが、たとえば、トーストに挟んでサンドイッチに、キャラウェイやローリエのスパイスを加え、ザワークラウト(酸っぱいキャベツ)風に。ヨーグルト・刻んだハーブ・オリーブオイルを加えると、ギリシャ風のコールスローサラダになる。

 その他、味噌汁の具にも。高温で加熱すると乳酸菌が死ぬので、温めた味噌汁を「乳酸キャベツ」にかけて頂く。

 また、「乳酸キャベツ」はタンパク質を柔らかくするため、「乳酸キャベツ」とソーセージのスープもおすすめ。作り方は簡単。ニンジンは皮をむき、適当な大きさに切って下茹でする。材料(水、鶏ガラスープの素、鷹の爪)と「乳酸キャベツ」を鍋に入れ、さっと火を通したらできあがり。

 辛めのカレーライスに付け合わせたら、見事にハーモナイズする。自分なりに工夫し、「乳酸キャベツ」を役立ててほしい。一物全体。生食で、蒸して、炒めて、漬け物で、醗酵して、美味しくて栄養がある。キャベツを毎日、頂こう!
(文=編集部)