『君の名は。』 (C)2016「君の名は。」製作委員会

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【興行トレンド】昨年の勝ち組・負け組/日本編
メガヒット連発で絶好調のディズニー

2016年の映画会社の勝ち組・負け組を「日本編」「ハリウッド編」の2回に分けて取り上げます。今回は日本編です。

1月〜10月までの映画会社別の総興行収入を見ると、勝ち組の筆頭は東宝の748億円。2位のウォルト・ディズニーの約2.4倍と断トツの1位で、14年連続での首位となる。独り勝ちといっていい状況だ。

ハリウッド編/5年連続の最下位! 負け組映画会社の敗因は?

『君の名は。』が興収200億円、『シン・ゴジラ』が81億円と自社製作の作品がメガヒットを記録したことに加え、配給したアニメ映画『名探偵コナン 純黒の悪夢』『妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン』『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』なども大ヒットした。

2位はウォルト・ディズニー(310億円)。ディズニー作品は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(興収115億円)を筆頭に、『ズートピア』(76億円)、『ファインディング・ドリー』(68億円)、『アリス・イン・ワンダーランド/時空の旅』(27億円)、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(26億円)、『ジャングル・ブック』(22億円)が大ヒット。ディズニーはアニメーションと、アクション、ファミリー向け実写映画のラインアップ戦略が安定していて、どの作品もヒットに結びついている。

3位は松竹(176億円)、4位は東映(129億円)。東映はディズニーの半分以下で「負け組」の瀬戸際ともいえそう。松竹は興収50億円超えのメガヒット作はなかったものの、20億円超えが『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』『聲の形』と2本あった。逆に東映は『ONE PIECE FILM GOLD』が50億円を超えたものの、次が『さらばあぶない刑事』の16億円。『ワンピース』頼みの興行だった。

東映と差がわずかの5位がワーナー・ブラザース(112億円)、6位が20世紀フォックス(112億円)。

ワーナーは10月まで興収20億円超えが1本もない。10月29公開『デスノート Light up the NEW world』、11月23日公開『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が大ヒット中で、年間を通せばもう少し上位に食い込みそうだ。逆に20世紀フォックスは7月までは『オデッセイ』(35億円)、『デッドプ-ル』(20億円)、『インデペンデンス・デイ/リサージェンス』(26億円)と健闘したものの、その後が続かなかった。

一方、負け組は東宝東和&東和ピクチャーズとソニー・ピクチャーズ。東宝東和はユニバーサル、東和ピクチャーズはパラマウントを配給しているが、合わせても83億円。『ペット』(42億円)以外にヒット作に恵まれなかった。ソニー・ピクチャーズは35億円で、『007スペクター』(28億円)以外にヒット作に恵まれなかった。(文:相良智弘/フリーライター)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。