劇団ひとりが語る:執筆業と監督業、影響を受けた作品、今後の創作活動など

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お笑い芸人、俳優、作家、脚本家、映画監督など、文字通りひとりでいくつもの顔を使い分ける男、劇団ひとり。

自著『青天の霹靂』で映画監督デビューを果たすなど、多彩な才能を発揮する劇団ひとりが、海外ドラマ専門チャンネルAXNで日本独占生中継される「第74回ゴールデン・グローブ賞 授賞式」のMCを務めることが決定した。そのインタビューの中で、執筆業と監督業の関係性、創作活動の原点、今後の予定などを語ってくれた。

-お笑いとは別に映画や小説といった創作活動を行っていますが、始めようと思ったきっかけは何だったのですか?

昔から映画は好きだったんです。一番最初のきっかけは、ネタ本くらいのつもりで小説(『陰日向に咲く』)を書いたら、それが映画化されたことですね。それまで映画なんて雲の上の存在だと思っていたし、自分が考えた話が映画になるなんて微塵にも思ってなかったんですよ。でも、映画が手に届くところにあるんだってことに気づいてからは、強く意識するようになりましたね。

-映画制作を始めるにあたり、影響を受けた作品などはありますか?

圧倒的に山田洋次監督の作品ですね。僕は『男はつらいよ』がとにかく大好きで、
何度も見てるし、撮影地巡りをするくらい好きなんです。キャラクターの造形とかカット割りとかも含めて、かなり影響されているし意識していますね。寅さんになりきり過ぎて、中野の駅前でおまわりさんに「ご苦労さん」って声をかけたこともあります(笑)。

-今後の創作活動の予定は?

小説は、ちょっとずつ書き進めています。

-映像化作品も多いですが、文章からひらめくことが多いのですか?

最初から映像を撮らせてもらいたいのが本音なんですけど、それでは誰も撮らせてくれないので、製作に協力してくれる大人たちを動かすために、まず小説を書いてるんですよ。「これだったら映像化しよう」というところにこぎつけるために、僕ができることが小説という形なんです。面倒臭いから、本当は小説書きたくないですけど(笑)。

-そういう戦略があったんですね。

戦略というか、僕が映画を監督するには、それしか方法がないんですよ。

-連続ドラマの監督にも興味ありますか?

すごいやりたいですね。映画もやりたいけど、実はドラマはもっとやりたい。でも、ドラマをやるなら全話の演出をやりたいんですよ。物理的なこともあるんでしょうけど、連続ドラマって1つの作品なのに1話ずつ監督が変わる違和感ってありますよね。僕はやるなら全部やりたいんです。それに、僕は現場で演出、つまり役者に演技をつけたいだけなので、撮影も編集も全部の権限は編集監督と撮影監督に委ねるので、それだったらどうにか実現できるんじゃないかなって思ってます。

-ドラマ業界で活躍されている芸人さんは多いですよね。バカリズムさんも『黒い十人の女』など、ドラマの脚本家として活動されていますが、劇団ひとりさんも脚本だったら全話通して担当できるんじゃないですか?

そうですね。でも、演出って他では味わえない経験なんですよ。小説を書くことと脚本を書くことは、どこか通ずるところがあるんですけど、演出は他で補えない欲なんです。一回でも監督を経験した者は虜になるってよく聞くけど、まさにそうですね。またメガホンを取りたいので、最近は自分の貯金に手を出すんじゃないかという恐怖もあって(笑)。

-次回作もご自身で監督するために、現在小説を書かれているんですね。

そう思ってたんですけど、そうはならなそうです。随分ちっぽけな話になってきちゃったので(笑)。

これは多分海外ドラマのせいなんですよ。僕は派手なものが好きなので壮大な物語の海外ドラマを見ることが多いんです。その反動なのか、自分が描きたいものがちっぽけなものになってくる。海外ドラマを見ることで、壮大さの浴が満たされてるからかなあと。今書いている本は、映像化にこぎつけられるのかちょっと不安ですね。