“出来過ぎ”の攻撃陣と無失点の守備、滝川第二が完璧な試合運びで相手を圧倒

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取材・文=本田好伸(提供:ストライカーデラックス編集部)

 試合はセットプレーからいきなり動いた。左CKを獲得した滝川第二は競り合いでこぼれたボールをつなぐと、ゴール前に詰めていた今井悠樹が決めて先制。これで滝川第二が勢いづくが、試合はその後、拮抗した展開を見せていく。すると前半終了間際の39分、相手のDFラインのミスを突いた滝川第二がこのチャンスを江口颯が確実に仕留めて試合を折り返す。後半、追い掛ける大分は前線の選手を投入してより攻撃的な布陣で逆転を狙うが、冷静に試合を進める滝川第二は前掛かりとなった相手の裏を狙ってチャンスメーク。途中交代の稲田丈太郎、溝田大輝が2得点を挙げて突き放すと、アディショナルタイムには神宮浩気が決めて6−0で大勝を収めた。

 6得点を挙げた滝川第二のゴールラッシュに松岡徹監督は試合後、「出来過ぎ」と語った。開始からわずか3分、左CKのチャンスからDFを統率するキャプテン今井悠樹が先制点をゲット。その後は相手を崩し切れないまま時間が経過するが、39分には、相手DFとGKの連係ミスを突いて、江口颯が確実にゴールを奪った。指揮官も、「入れ替わりは狙っていたので、そこは思惑通り。江口はしっかりと考えてプレーしてくれていた」と評価する。

 後半に入って相手がパワープレーを仕掛けてきたことで、滝川第二の攻撃は狙いを絞りやすくなった。後半27分にFW稲田丈太郎が投入されると、そのわずか2分後、裏に抜け出した稲田が追加点を奪う。さらに、「溝田が生きると思っていた」(松岡監督)と、交代出場していた溝田大輝も後半34分に中央を抜け出してゴールを決めると、さらに後半39分、溝田が再びゴールを陥れてリードを5点に広げた。

 そしてアディショナルタイム、溝田が右サイドから突破を図って中央の神宮浩気に預けると、そのまま強烈な左足シュートを突き刺して6−0としてダメ押した。戦前から、大分の川崎元気監督は滝川第二の強力な攻撃陣を警戒していたが、終わってみれば、大分はその力の前に屈した形となった。ただこの試合の本当のポイントは攻撃よりもむしろ、滝川第二の守備力にあった。

 松岡監督も「攻撃の破壊力があり、連動性のある大分に対して、DF陣が0点に抑えてくれたことが一番の評価。本当に頑張ってくれた」と振り返る。1回戦で中京を4−1で退けた大分の攻撃力は滝川第二にとっても脅威であり、山本光彦、古田武尊、永松涼介、嶋津翔太といった攻撃のタレントをいかに自由にプレーさせないかを、この試合の大きなテーマに据えていたのだ。

 そしてプラン通り、その攻撃力を封じてみせた。とりわけ、松岡監督が最も警戒していた永松をケアしたことが大きく、そこで存在感を見せていたのがボランチの朴光薫である。「彼を自由にプレーさせていたらこのゲーム内容はなかった。朴の頑張りが一番の勝因」と、松岡監督もその貢献を賞賛した。大分は細かいパスワークやサイドを効果的に使ったスピードのある攻撃に特徴を持つが、その戦いのタクトを振るう永松が機能しないことで、ロングボールに頼る場面が増えていた。

 前線からの効果的なプレッシングも含めて、大分の中盤を制圧したことが、この試合で滝川第二が主導権を握れた最も大きな要因だったことは間違いない。いい守備からいい攻撃が生まれ、リードを広げることでより落ち着いたゲーム運びができるという好循環が生まれていた。まさに、攻守に噛み合った完勝である。

 滝川第二は「最後の最後まで全力でプレーする」という“滝二らしい”戦いぶりで3回戦へと進出。「次に向けてはいろいろと考えているわけではないが、何が何でも(決勝の)埼玉スタジアムで試合をして勝つことを目標に掲げているので、そこに向けてやっていく」(松岡監督)と、一戦必勝を誓う。6年ぶり2度目の頂点へ──。攻守に勢いを増す滝川第二に慢心はない。