(写真提供=KLPGA)

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2017年度は年間38試合・賞金総額37億1500万円と、今年も史上最高規模を更新して行われる日本女子プロゴルフツアー。

現在、日本女子ゴルフツアーには多くの韓国人選手がプレーしていることもあって韓国でも関心が高いが、その韓国で2017年の飛躍が最も期待されているのが、イ・ボミ、申ジエ、キム・ハヌルである。

周知の通り、昨季イ・ボミは2年連続で賞金女王に輝き、3勝を挙げた申ジエは賞金ランク2位に。日本2年目だったキム・ハヌルも通算2勝で賞金ランキング4位に入った。

“88年生まれ三銃士”への期待

ともに1988年生まれでもある3人のことを韓国メディアは“88年生まれ三銃士”と呼んで、2017年の活躍も期待している。

韓国女子ゴルフ界には、“パク・セリキッズ”、“黄金世代”から“韓国美女ゴルファー神セブン”など、さまざまな括りや呼び名が存在するが、“88年生まれ三銃士”も定着しつつある。

「日本列島を占領した“88年三銃士”、来年はさらに高く翔ぶか」(『スポーツ・ソウル』)、「88年生まれ三銃士、日本征服の秘訣は“肯定マインド」(『スポーツ東亜』)といった具合である。

昨年年末に上梓した拙著『イ・ボミはなぜ強いのか?〜知られざる女王たちの素顔』も、実は3人の素顔と人気の秘密を探るべく立ち上がった企画で、彼女たちのルーツを探るべく日韓横断取材も実施したが、取材を通じて感じたのは3人の日本進出に賭ける“熱い想い”だった。

イ・ボミはかつて「日本でプレーするのが夢だった」と語り、申ジエに至っては、こんな本心を明かしたくれたほどである。

「日本の人々の謙虚さであったり、他者を尊重する文化が好きでした。人と人の間に確かな信頼が行き来しているこの国で、人としての何かを積み重ねてみたかったのです」

そんな“88年三銃士”のなかで特に今年の飛躍が期待されているのは、キム・ハヌルだ。

韓国メディア『Newsen』のインタビューでは「ボミもジエも、すで日本で確かな地位を得た選手。私はまだ2年目であるのに、彼女たちと一緒に取り上げてくれるだけでもありがたい」と、“88年生まれ三銃士”と呼ばれることを謙遜しているが、そもそも韓国では抜群の人気を誇る選手なのだ。

前出の新書『イ・ボミはなぜ強い〜知られざる女王たちの素顔』でも紹介したが、月刊ゴルフダイジェスト元編集長で現在は『ヘラルド・スポーツ』編集長のナム・ファヨン氏によれば、韓国女子ゴルファーで初めて私設ファンクラブができたのは、キム・ハヌルだったとか。

韓国メディアで最初に注目を浴びたのも、キム・ハヌルが先だったらしい。

それでも今はイ・ボミや申ジエから学ぶことが多いというキム・ハヌル。

『Newsen』とのインタビューでも「2人は友人だけど学ぶことが多く、研究させてもらっています。共通するのは2人ともパットが本当にうまいということ。また、ボミは危機管理能力が良いですね」と語って、“88年生まれ三銃士”たちから刺激を受けていることを明かしてている。

「日本に来れば?と声をかけたんです」

また、日本ツアーに関してこんなことも語っている。

「今年は成績も良かったおかげで、日本ツアーが楽しく面白かったんです。それで彼女たちにも日本に来れば?と声をかけたんです」

彼女たちとは、昨年に日本女子ツアーのQTを受験した韓国人女子ゴルファーたちのことだ。

昨年はユン・チェヨン、アン・シネ、イ・ミンヨンら多くの美女ゴルファーたちが日本女子ツアーのQTを受験しているが、その背景にはキム・ハヌルの助言もあったようなのである。
(参考記事:イ・ボミ、キム・ハヌルに続け!韓流美女ゴルファーはなぜ日本を目指すのか

「日本ツアーでもチェヨン姉さんの人気は高く、アン・シネも人気がある。特にシネは日本でプレーしたことがないのに、日本の選手やキャディまでもが彼女の名前を知っているほど」(『Newsen』より)

同級生たちから刺激を受け、先輩や後輩たちにも日本進出を勧めるキム・ハヌル。そんな彼女が2017年にどんな活躍を見せるかということには、日本はもちろん、韓国でも注目が集まりそうだが、キム・ハヌルは今年、全米女子オープンにも出場したいと考えているらしい。

「いつでもゴルフができるかわからりないので、機会が訪れたものはなんでもトライしたい」という思いがそうさせるのだろう。

前出した通り、昨季は2勝をマークしたキム・ハヌル。特に最終戦となったリコーカップは、キム・ハヌルにとっては初の日本メジャー制覇だった。

イ・ボミも日本2年目でリコーカッップを制し、翌シーズンから優勝回数を増やしていくが、その前例に基づけばキム・ハヌルが今年ブレイクする可能性も十分にあるだろう。

いずれにしても、今年も韓国の“88年生まれ三銃士”が日本女子ゴルフツアーを盛り上げてくれそうな予感だが、菊地絵理香など日本の“88年生まれ”にも期待したい。

(文=慎 武宏)