韓国のインターネット掲示板にこのほど、旅行で京都を訪れた韓国人夫婦がその感想をつづったブログが掲載された。資料写真。

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韓国のインターネット掲示板にこのほど、旅行で京都を訪れた韓国人夫婦がその感想をつづったブログが掲載された。

日本旅行を思い出す時に浮かぶのは、銀閣寺や有名なカフェのような風景ではなく、いつも“人”だ。

日本人は親切だった。道を尋ねると誰でも皆、立ち止まってくれた。言葉が通じなくても熱心に説明してくれたし、時には目的地まで連れていってくれることもあった。いつも笑顔で対応してくれて、面倒くさそうな素振りは見せなかった。

その中でも、特に印象に残っている人がいる。ある有名なカフェでのこと。運よく窓際に座ることができた私たち夫婦は、名物の抹茶ラテを飲みながら、息を呑むほど美しい庭園に吸い込まれるように見入っていた。そして、その瞬間を写真に残そうとカメラで自撮りをしていた時。私たちの後ろの席に座り、お茶を飲んでいた若い青年がふいに声を掛けてきた。私たちの写真を撮ってくれるという。自撮りしていた私たちに気を遣ってくれたようだ。慣れない異国に来た外国人に対する日本人青年の純粋な好意だった。

カメラを彼に渡した。きれいな写真を撮るためあれこれ工夫してくれたが、カメラはフラッシュがたかれないように設定されていたため、逆光で私たち夫婦の顔は真っ黒に映ってしまった。彼は申し訳なさそうに「もう一度撮らせてください」と言った。何度も「ごめんなさい」と言い、こちらが申し訳なくなるほど真剣に謝った。設定を変更してもう一度カメラを渡したが、なんということか、今度はシャッターが押せなくなってしまったようだ。実は、カメラは親戚から借りてきたもので、私たちも使い方をよく分かっていない状態だった。必死にシャッターを押そうとする彼の手は震え、おでこには汗がにじんでいた。頑張る彼が気の毒になり、「大丈夫です。最初の写真で十分です。ありがとう」と伝えた。ところが、彼は日本の庭園に感動する外国人観光客になんとかして美しい思い出をプレゼントしたかったようだ。私たちより申し訳なさそうな様子で、押せないシャッターを懸命に押そうとしていた。私たちは「背景の庭園がきれいに映らなくてもいいからフラッシュをたいて撮ってほしい」と頼んだ。そうして、やっとの思いで手にした1枚の写真。韓国から来た外国人に良い思い出を残してあげたいというあの時、あの彼の真心がそのまま収められている。私たちの顔が真っ黒に映ってしまった最初の写真を見ると、今でも冷や汗を流して頑張ってくれた彼を思い出す。彼の真心は、隅々まで手の行き届いた完璧な庭園よりはるかに美しいと、私は今でも心からそう思っている。(翻訳・編集/堂本)