眠れない……。ただでさえ少ない睡眠時間がどんどん減っていく……と思うだけで焦燥感にかられます。いったいどうしたら? 眠りたいのに眠れない世の多くの女性たちのために、友野なおさんが答えます。

20分眠れなかったら布団を出る

すべての不眠にはストレスが関係しています。快眠にはストレス・ケアが欠かせません……なんていうことは、Suits読者のみなさんはご存知のことでしょう。十分なストレス・ケアができないから悩んでいるの! そんな声が聞こえてきそうです。

では、どうすればいいのでしょう? 私からの提案は、「布団に入って20分ぐらい眠れないようなら布団を出る!」です。いろいろ考えて眠れない人が多いのですが、布団の中であれこれ考えてしまうより、そのほうがずっといいです。

だれでも眠れないことはあります。特別なストレス要因がなくても、なんとなく眠れない夜というのはあるものです。問題は、それが何日も続く場合です。布団の中で悶々と過ごしていて眠れない、その体験が、布団を見ただけで「眠れない」という認識に結びついてしまうことです。そうした認識のクセが「入眠障害」という障害を引き起こすトリガーになってしまうからです。私にも経験があります。眠れないのにずっとベッドの上で悶々としていました。すると、ベッドを見ただけで眠れない記憶がよみがえり、「今日も眠れないのでは」という恐怖を感じました。それがストレスになる⇒ますます眠れない⇒さらにストレスになるという悪循環になっていくのです。

 布団から出てどうするの? 

布団を出るのは、布団=眠れないという認識を断ち切るためです。ですから、布団を出たら気分転換をしましょう。といっても、スマホを始めてはいけませんよ。画面が明るすぎて頭が覚醒してしまいます。いくら眠くないからといって、メールを見たり、返信したり、ましてや仕事を始めてはいけません。

では何をすればいいの? 私のおすすめを3つ、ご紹介します。

1.パズル:理由は、眠れないことなんて忘れるぐらい没頭できるからです。ジクゾーパズルや積み木パズルなど、シンプルでアナログなものがおすすめです。スマホやパソコンなどデジタル器機を使っては逆効果。また、数独や熟語パズルなど、複雑で頭を使うものも避けましょう。没頭はできるかもしれませんが、脳が興奮して覚醒してしまします。その意味で、ピースを拾って、はめてという単純作業のジクゾーパズルは眠れない夜にピッタリです。

2.単純な動作を繰り返す:たとえばアイロンがけ、タオルを畳むというような単純な作業もいいでしょう。頭を使わず、淡々とこなすことができます。単純な動作を繰り返していると、だんだんリラックスしてくるものです。♪眠れ 眠れ 母の胸に〜 というメロディーを繰り返す子守唄もありますよね。 

3.きれいな写真集を見る:たとえば「世界の絶景写真集」とか「日本の秘境写真集」とか。いつか行ってみたいな〜などと思いながら見ていると、楽しくなってきます。ネコが好きならネコ写真集、花が好きなら花の図鑑など、眺めているだけでリラックスできる本なら何でもいいと思います。読書もいいのですが、刺激が強いストーリーやミステリーは避けたほうがいいでしょう。先が気になって眠れなくなる可能性があります。

眠れなくても時計を見ない

注意点は、部屋の照明を明るくしすぎないこと。寝る前と同じ、暗めで暖色の照明がいいでしょう。そして時計を見ないこと。早く寝なきゃ! と焦ってしまうからです。私たちのナチュラルな思考として、時計を見ると、起床時間から逆算を始めるんですね。あと4時間しかない、あと3時間しかない……どうしようどうしよう……と。焦ったところで眠気はどんどん遠ざかるばかりですから、時計は見ないに限ります。

そして「あ、眠いかも」と感じたら、すぐにベッドに戻りましょう。パズルを完成させよう、などと几帳面にならないように。ここでも時計を見ないほうがいいでしょう。

眠れない夜は時計を見ないでね!

最後に、逆説的ではありますが、一晩くらい眠れなくても死にゃしない……くらいのゆるい心構えが、よく眠れる人の特徴でもあります。あまり深刻に考えすぎないことも大切です。本来、今晩眠れなければ明日はきっと眠いはず、それなら明日の夜はバタンキューのはず、です。大丈夫です。眠れなければまたパズルの続きをすればいいのですから。



■賢人のまとめ
眠れないときは思い切って布団を出て、頭を使わずにリラックスできることをしましょう。

■プロフィール

睡眠の賢人 友野なお

睡眠を改善したことにより体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。
科学でわかるねむりの環境・空間ラボ主宰。著書に『やすみかたの教科書』(主婦の友社)など。