正月休み、お金についてすべきことは?

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金融商品の税制変更などに合わせ年内の売却を勧めることがあるが、2016年は大きな変更なし。正月休みは「家計の総決算」に取り組みたい。

支出を把握していない、資産の総額がわからない、という人は少なくない。負債も考慮した実質的な資産額を把握しているという人は、ほとんどいないだろう。思ったより貯蓄が増えていない、負債が多い、株式などのリスク資産に偏っているなど、問題が潜んでいることも考えられる。まずは現状把握が必須であり、気持ちを新たにするのに適した年末年始を利用して、資産の棚卸しに取り組もう。

まず確認したいのが、資産について。銀行、証券会社など、複数の金融機関に預けている資産を一覧表にまとめる。株式や投資信託などは、銘柄ごとに投資元本(投資した額)と時価を調べて書き出したい。取引報告書を見てもいいし、ネット証券ならログイン後の画面で調べられる。利益が出ているかがわかるし、「投資先が日本株に偏っている」などの問題にも気づける。

学資保険、養老保険など、満期金がある保険に加入していたら保険証券に記載されている解約返戻金(今解約したらいくら戻るか)を書き出す。

勤務先で確定拠出年金の制度がある人は、その残高も資産ととらえていいだろう。ただし、原則60歳までは引き出せないことは念頭におく。

次は不動産。自宅がいくらで売れるかを調べる。重要なのは、住宅ローンが返済できなくなった場合など、自宅の売却が可能かを知ることだ。

仮に自宅の売却見込み額3000万円に対し、住宅ローンが3500万円残っていれば、自宅は債務超過の状態で、差額の500万円を用意しなければ原則売却できない。

新築住宅の分譲価格には不動産会社の利益や広告宣伝費がのっているため、都心の一等地や希少価値のある物件を除けば、すぐにその価値は2〜3割下がるといわれている。ここ数年、銀行は住宅ローンを貸したがっており、頭金ゼロ、全額ローンで購入している人も珍しくないが、そのようなケースでは自宅は債務超過、預金もないなど、もしものときに売れないこともありうる。広告などで周辺相場を調べるほか、不動産会社に査定を依頼する手もあるが、面倒なら固定資産税評価額を参考にしてもいいだろう(固定資産税の通知書に記載されている)。

住宅ローンについては、残債額と完済年齢を確認。定年までに完済するのが望ましく、60歳を大幅に超えるようならいずれは繰り上げ返済する必要があるので、現状を把握したい。また変動金利型で借りている人は、金利が低い今のうちに、固定型に切り替えることも検討するといい。

住宅ローン以外の債務も含め、もしも家計全体が債務超過の状態なら、すぐに改善に乗り出そう。家計簿、なければ預金通帳の引き落としの記録、クレジットカードの利用明細などから無駄を探す。

貯蓄が毎年順調に増えている場合は別だが、そうでないなら一定期間、家計簿をつけたい。家計簿は問題を見つけるためのデータベースになるし、いくらあれば暮らせるかを把握しておくことは、重要なリスク管理といえる。

家計の総決算を毎年の習慣にし、夏のボーナス時には中間決算を行うのが理想的だ。

資産を総ざらいして自分と向き合う。共働き世帯も、夫婦間では個人情報保護法を適用せず、お互いの収入、資産を公開するのが望ましい。

(ファイナンシャル・プランナー 深野康彦 構成=高橋晴美)