選手勧誘の切り札はSNSと女のコ!? 強さのワケを教えてくれた大谷遼太郎さん

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正月の風物詩、箱根駅伝。注目はなんといっても、大会3連覇&大学駅伝3冠を目指す青山学院大だ。

チャラそうに見えても、走れば他大学を圧倒。そんなチームの強さのワケを、チームOBにして現在はトライアスロン選手の大谷遼太郎さんに聞いた。(前編記事→「青学大V3の可能性は80%! 元エースが予想する箱根駅伝」)

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──青学大は大谷さんが在学中にどんどん強くなって箱根のシード権(10位以内)を獲得し、2015年には初優勝。その後も他大学を圧倒しています。強さの理由はどこにあると考えますか?

大谷 チームが強くなる要素として、「チームの土壌」「選手のスカウティング(勧誘)」「練習の質」の3つがあると思っているんですけど、なかでも、スカウティングが重要で、青学大はそこが優れていますね。有力な高校生が青学大に入りたいという環境を作れている。

その一例が、ツイッターをはじめとしたSNSの使用がOKなところ。小さなことかもしれませんけど、今の高校生はスマホ世代でSNSは欠かせません。東洋大、駒澤大などは使用を禁止しているので、複数の大学からスカウトがあった時に「青学大に行こう」と決断するキッカケになるかもしれない。

また、ムダな上下関係もありません。“ゆるい”と思われるかもしれませんけど、もちろん、練習など締めるところは締める厳しい面もあって、そのバランスがいい。

──大谷さんも、そんな雰囲気に惹かれて青学大に?

大谷 僕が惹かれたのは…女のコです(笑)。授業料免除の条件で声をかけてくれた大学もあったんですけど、入学前に青学大のキャンパス内を案内してもらった時、かわいいコが多くて、それで決めました(笑)。最近はメディアで取り上げられることも多くなりましたし、選手はモテモテでしょうね。うらやましいかぎりです(笑)。

──青学大といえば、原晋監督も何かと話題です。どんな人でしたか?

大谷 細かいところまでこだわる方でした。練習で特に重視していたのは“23kmを想定した準備”をさせること。箱根はひと区間がだいたい20kmなんですけど、23kmを走れる力がないと戦えないんです。監督には「それをわかっていないとボロが出る」と何度も言い聞かされました。終盤で相手を突き放す青学大の走りは、そんな信念から生まれたものだと思います。

──他にも、原監督ならではの指導法はありましたか?

大谷 監督は選手と同じ寮に住んでいるので選手の微妙な変化に気づく。同居している奥さんも女性ならではの観察力で、選手が彼女とうまくいっていないなんてこともわかっちゃうんですよ(笑)。そんな情報も参考にすることできめ細かい指導ができるんだと思います。僕がいた頃はまだ優勝経験のない監督でしたし、指導法に疑問を持っていた選手もいたかもしれません。でも、今の選手は監督に100%の信頼を寄せている。だから強い。

──今回も死角はない?

大谷 11月の全日本大学駅伝では後手後手にまわり、選手が少し慌てた印象がありましたからね。他大学が1区からハイペースな展開に持ちこみ、青学大に主導権を握らせないレースになると、“もしや”があるかもしれません。前回2位の東洋大、同3位の駒大、全日本2位の早稲田大、同3位の山梨学院大、1年生に勢いのある東海大あたりがどう仕掛けてくるのか。青学大がそれをどう跳ね返すのかに注目してください。

●大谷遼太郎(おおたに・りょうたろう)

1990年生まれ、埼玉県出身。青山学院大4年時の2013年箱根駅伝で“花の2区”を走って区間5位(7人抜き)。卒業後は実業団に所属するも、16年3月に退社。現在はトライアスロンでの20年東京五輪出場&メダル獲得を目指し、フリーで活動中

(取材・文/酒井政人)