小林政広監督と3度目のタッグ (C)「海辺のリア」製作委員会

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 小林政広監督、仲代達矢主演「海辺のリア」が、2017年6月に公開されることが決定した。

 「春との旅」で意気投合し、「日本の悲劇」で再タッグを組んだ小林監督と仲代が、3度目の顔合わせ。現在84歳、俳優人生65年の仲代が演じる主人公の桑畑兆吉は、舞台や映画で役者として半世紀以上のキャリアを積み、さらに俳優養成所を主宰する大スターという設定だ。仲代は「お気づきかと思いますが、この作品は『仲代達矢のドキュメンタリー』とも言えるかもしれません。実際、シナリオを読んだ瞬間、『ああ、遭遇してしまった。今だからこそできる作品に……』と思いました」と、自身を主人公に重ね合わせた。

 「愛の予感」がロカルノ国際映画祭で最高賞の金豹賞に輝くなど、独創的な作風が国内外で評価されてきた小林監督が執筆したオリジナルストーリーは、認知症の疑いがある往年の映画スターの心に宿る人生最後の輝きを描くもの。老人ホームから脱走した兆吉は、たどり着いた海辺で、かつて家から追い出した娘・伸子と再会。伸子にリア王の最愛の娘コーディリアの幻影を見た兆吉に、リア王の狂気が乗り移る。

 共演にも、黒木華、原田美枝子、小林薫、阿部寛と日本映画界を代表する顔ぶれがそろう。主人公が妻とは別の女に産ませた娘で、私生児を生んだために家を追い出された伸子役に黒木が配され、原田が兆吉の長女・由紀子、阿部が由紀子の夫で兆吉の弟子だった行男を演じる。

 主演の仲代は「人は誰でも『変わらないもの』を持っています。兆吉にとって、それは『演じること』。役者の魂を解き放つかのように、リア王のセリフを滔々(とうとう)と述べるクライマックスには、そんな思いが込められています」と作品の核心を語る。「小林監督の描く、人間の光と影、納得できる終末……、人間の生き方を皆さまも想像していただけたらと思います」とコメントを寄せた。

 同作の公開を記念し、仲代がTwitterアカウント「仲代達矢 84歳、Twitterはじめました。」を1月1日に開設。仲代本人が自由にツイートするだけでなく、映画の公式Twitterとしてスタッフからの最新情報なども随時投稿されるという。

 「海辺のリア」は6月からテアトル新宿、有楽町スバル座ほか全国で公開。