日本のお正月を彩るビッグイベント『箱根駅伝』(正式名称「東京箱根間往復大学駅伝競走」)の開幕が目前まで迫ってきた。1920年、早稲田大、明治大、慶應大、東京高等師範の4校で『四大校対抗駅伝競走』としてスタートしたこの本大会は、戦争による3年間の中断をはさんで、歴史を積み重ねながら、今回で93回目。21チームがエントリーし、新春の箱根路を舞台に熱戦が繰り広げられる。

 今大会、注目が集まっているのは、15年、16年と2連覇中の新進気鋭の強豪、青山学院大学の3連覇達成。事実、青学は今期も絶好調でエースの一色恭志を核として陣営は、出雲大学選抜駅伝と全日本大学駅伝を制しており、箱根で勝てば3連覇に加え、大学駅伝三冠の偉業となる。

 箱根駅伝の特徴であり最大の難所は、往路のラストを飾る山登りの5区。長い上り坂を走らなければならない箱根独特の過酷なコースは例年感動のドラマを生み出してきた。

 特に23.2キロという距離が採用された06年からの11年間は、5区で区間賞を取ったチームがそのまま総合優勝するケースが7回を数え「5区を制するものが箱根を制する」が常識となった。今井正人(順天堂大)、柏原竜二(東洋大)、神野大地(青山学院大)といった山上りの得意な選手が「山の神」と称され、大々的に報じられたことは記憶に新しい。

 ただ、あまりにも勝負のポイントが5区に偏重しすぎていることに対する批判や、5区を走る選手の負担を軽減するため、今大会から、5区の距離は20.8キロに短縮。同時に4区の距離を20.9キロに延長することとなり、各チームの作戦や順位に少なからず影響を与えるのではないかと推測されている。

 だが、多くの陸上競技関係者は、「コース変更があっても、青学の優位は揺るがない」と見ている。4区の距離延長は「距離が短いので経験の浅い1年生でつなぐ」という従来の作戦が取りづらくなり、かえって選手層の厚い青学に有利に働く、という見方が強いのだ。

 そこで、本誌は青学を率いる原晋監督に勝算のほどを直撃した。

「4区、5区の距離変更はやはり少なからず影響はあるでしょう。4区の重要性が増してくると思います」

 あえてライバル校をあげてもらい、勝算のほどを聞いてみた。「ライバルは早稲田、東海、駒沢でしょうね。ただ、駅伝は1対1で相手を叩くというスポーツではないので、自分たちにやるべきことを粛々とやっていくだけです。3連覇の勝算ですか? インフルエンザや感染症などに気をつけていれば、自ずと結果はついてくるはずです」

 1月2日午前8時。東京大手町で箱根駅伝スタートの号砲が鳴り響く。翌日、首位で戻ってくるのは青学か、それとも――。