尾田栄一郎ジャケットを描き下ろした『次郎長三国志』シリーズ

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…前編「正月は酒を飲みながら、ダラダラと時代劇」より続く

【正月はチャンバラ映画でまったり!/後編】
初心者でも親しみやすい時代劇クラシック入門編はこれ!

ここからは時代劇クラシックの名作も紹介したい。あの「ONE PIECE」の尾田栄一郎が作品に惚れこみ、DVDジャケットを手がけたことでも話題となったマキノ雅弘監督の『次郎長三国志』シリーズだ。1952年から1954年にかけて全九作が作られた同シリーズ。次郎長親分を筆頭に、森の石松、大政・小政、桶屋の鬼吉、法印大五郎ら「次郎長一家」の活躍が描かれる。モノクロで九部作ということに取っつきにくいと思う人もいるかもしれないが、「次郎長一家」と「麦わらの一味」はどこか共通したところも多く、尾田と一緒に同作のDVD化に一役買ったスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーも「『ONE PIECE』は次郎長一家の流れがある」と指摘。時代を超えた本作の楽しさをぜひともこの機会に堪能してもらいたい。

2017年1月27日に公開される『マグニフィセント・セブン』は、黒澤明監督の名作『七人の侍』が原案。巨匠・黒澤明監督は、海外でも絶大なる人気を誇っており、多くのクリエーターが好きな日本映画として挙げている監督。野武士を退治するために農民が七人の侍を雇う、という発想の面白さ、見事な人物描写、迫力あるアクションなど、日本が世界に誇る一本であることは間違いない。『マグニフィセント・セブン』の予習として見ておくのもいいのではないだろうか。その他、黒澤明入門編として、『用心棒』『椿三十郎』あたりと合わせて見るのも入りやすい。そこから、海外での評価も高い、勝新太郎の『座頭市』や、若山富三郎の『子連れ狼』といった作品、東映のチャンバラ映画などにも輪を広げていくというのもいい。

以上、簡単なテーマに合わせて、入門編ともいうべき時代劇映画を紹介してきた。テレ東の正月時代劇はなくなってしまうが、そんなときだからこそ「正月に時代劇」の楽しさを見直してもらえたら幸いだ。(文:壬生智裕/映画ライター)

壬生智裕(みぶ・ともひろ)
福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、特に国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても映画祭パンフレットなどの書籍も手掛ける。