中国の詩人李賀「致酒行」に「我迷魂あり招き得ず、雄鶏一声天下白し」との名句(Barbybo22/flickr)

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 明けましておめでとうございます。

 多難で騒いだ申年が終わり、焦燥感に苛まされるなか、酉年を迎えました。

 昨年は、イギリスのEU離脱やトランプ氏の米次期大統領当選など、予想だにしなかったことが数多く起きました。

 しかし、これらは決して偶発的な出来事ではなく、むしろ古い時代が終わり、新しい時代が始まったことを示す世界の必然的な展開ではないでしょうか。

世界を席巻したグローバル化の終わり 次の段階は

 90年代、ベルリンの壁が崩壊し、東欧の民主化ならびにソ連の社会主義体制の放棄によって、長く続いた東西冷戦が終焉しました。それからグローバル化が進み、30年近く世界を風靡してきました。

 政治・経済、文化など、様々な側面において、従来の国家・地域の垣根を超え、地球規模で資本や情報のやり取りが行われました。国内市場と国際市場の境目はなくなり、労働力も国際的に自由に行き来するようになりました。人類文明の歩みは、未曽有の規模と速度で推し進められ、従来の文明構造も大きく変わりました。

 グローバル化によって、環境破壊や疫病の流行も世界規模になり、先進国の失業や貧富の差もよりいっそう拡大しました。文化の多様性がしだいに失われ、道徳や道義を重んじる伝統的な価値観も風化してきました。

 より深刻なのは、グローバル化という名の下で、中国共産党政権を延命させる機会を与えたことです。中国共産党が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ、欲しいままに)に他を沈黙、妥協させることも、世界は黙認することになりました。すなわち、グローバル化によって、全世界は多大な損害を蒙ったものの、中国共産党はその最大の受益者になったのです。

 この観点からすれば、邪悪な勢力に折れる用具とされるこのグローバル化は、共産主義運動の変異体であったと言っても理に適うようです。

共産主義の変異体 グローバル化 異を唱えだした英米

英国のテリーザ・メイ新首相(Dan Kitwood/Getty Images)
 

 

 イギリスは、こういったグローバル化の諸弊害を看破し、産業革命の濫觴地として、一先ずグローバル化に異を唱えました。近代以降、世界をリードし続けてきた超大国アメリカの国民も翻意し、「アメリカを再び偉大な国に創る」を掲げ、政治経験ゼロのトランプ氏を第2のレーガン大統領として選び、グローバル化に横槍を入れました。

12月7日,トランプ米次期大統領。ニューヨークのトランプタワーで(Spencer Platt/Getty Images)

 

 これらの動向は、一部には歴史的後退とも見られていますが、実際は歴史の反動への反動であり、岐路から正しき道へ戻るという軌道修正なのです。

 興味深いことに、中国の習近平国家主席も、腐敗取り締まりや大掛かりな改革を行い、法治や伝統文化の復興を提唱しています。換言すれば、習近平氏もあの独裁体制を巧く利用しつつ、古いシステムに楔を打ち込み、グローバル化の埋葬行列に加わって、新時代の到来に備えているのです。

 日本も近年、国際舞台で中国共産党政権がグローバル化を頼りに暴走することを牽制しつつ、伝統的価値観をずっと推し進めています。

 このように、世界にもっとも影響力を持つ米国、英国、日本、中国がいずれも何らかの方式で異様なグローバル化に歯止めをかけ、伝統復興への道を歩もうとするとなれば、共産主義の残余が一掃され、世界はいよいよ歴史的転換を迎えるのでしょう。

 中国の詩人李賀「致酒行」に、「我迷魂あり招き得ず、雄鶏一声天下白し」という名句があります。「わたしは今魂が迷っている、それを呼び返そうとしても返せぬのだ。雄鶏が一声鳴きだすと世界は真白に夜が明ける」。

 共産主義運動により、われわれ人類は長らく、魂が迷っており、それを呼び返そうとしてもなかなか返せませんでした。この酉年に、雄鶏の歴史的な鳴きにより、天下は真白に夜が明けるようになるのか、と待望しています。

 世界が日々激変している当今、大紀元日本は従来の理念を堅持し、人類文明の進展および社会の進歩を促すことを使命としつつ日々精進してまいります。

 人類の歩むべき正道に立ち返るために、皆様方のより一層のご支援ご鞭撻を賜りつつ、飛躍的な酉年一年を創っていきたいと存じます。

(大紀元日本ウェブ編集部一同)