「お正月料理とメンタルヘルス」の美味しいカンケイ

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執筆:山本 ともよ(管理栄養士)
医療監修:株式会社とらうべ


心身の健康増進に、いま生活習慣の重要性が注目されています。

生活習慣の基本といえば、睡眠・食事・運動です。そこで今回は食事、とりわけ「おせち料理とメンタルヘルスの関係」に注目してみました。

おせち料理を楽しみにしている方も、そうでない方も、ご一緒に詳しく見ていきましょう。


メンタルヘルスに重要な栄養素

メンタルヘルスのために積極的に摂ってほしい栄養素は、次のようなものです。

神経伝達物質の原料となるもの

アミノ酸、ビタミンB群、ビタミンD、亜鉛

神経伝達物質は、ストレスの対処と関係が深く脳内で活動する物質です。セロトニンやアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどのことです。

たとえば、セロトニンの不足によって、抑うつ症状や不安状態を引き起こしやすいことなどがあります。

抗ストレスホルモンの原料になるもの

アミノ酸、ビタミンB群、ビタミンC

ストレスがあると、それに反応して活動するホルモンで、代表的なのがコルチゾールです。抗ストレスホルモンの原料は、体内で合成できるものと、できないものがあります。

アミノ酸はとくに不足しないように注意が必要です。

おせち料理の品々と栄養

おせち料理の品々を見てみると、上に挙げた栄養素が入っていることがわかります。つまり、おせち料理にはメンタルヘルスにとって重要な栄養素が、たくさん詰まっているのです。

アミノ酸


蒲鉾、海老、黒豆、昆布巻き、肉・魚

ビタミンB群


黒豆、伊達巻、くわい、肉・魚

ビタミンD


シイタケ、いくら、数の子、田作り

亜鉛


田作り、栗きんとん、海老

ビタミンC


栗きんとん、レンコン、なます

お正月料理とメンタルヘルス

神経伝達物質を脳内に取り込むためには、炭水化物が必要です。お正月の炭水化物の代表格は「おモチ」です。

おモチといえば雑煮。地域や家庭によって入れる具材はさまざまですが、おモチ、肉や魚介類、葉物野菜、根菜、芋類、きのこ、大豆(しょうゆや味噌)など、お雑煮は、栄養価的には「超」優秀なメニューです。

これにおせち料理が加わると、いっそう効果が発揮され、メンタルヘルスによい栄養素を摂ることができます。

おせちだけでは不足しがちな栄養素

その一方、おせち料理で摂りづらい栄養素は「葉酸」です。

葉酸には気分を落ち着かせ、神経システムの安定を保つといった役割がありますが、残念なことに、おせち料理には葉物が少なく、葉酸は不足しがちです。

葉酸は春菊、ほうれん草、アスパラガス、ブロッコリー、アボカド、オレンジなどに含まれるので、これらのおひたしやゴマ和え、サラダなどをプラスするといいでしょう。

砂糖の摂りすぎに注意

過剰摂取に気をつけたいのが砂糖です。

おせち料理には保存が効くように砂糖を多く使ってあります。加えて、お年始のお土産やお菓子、アルコール、清涼飲料水など、何かと糖分を多く摂りがち。砂糖は血糖値を急激に上昇させます。


すると、身体は崩れたバランスを保とうとするため、血糖値を下げるインスリンをたくさん分泌します。その結果、血糖値が急下降することになります。


そうして低血糖状態になり、空腹感や疲労感、イライラ、睡眠障害など、心身の疲労を招きます。さらに、砂糖の分解にはビタミンB群が必要ですが、砂糖を摂り過ぎるとビタミンB群が不足しやすくなるのです。

ビタミンB群が不足することで、神経伝達物質の材料も減ってしまうことになります。おせちの食べ過ぎに注意し、他の砂糖を多く含む食品の量も調節しましょう。

<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中


<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供