カーリングは“氷上のチェス”と呼ばれ、正々堂々と「いじわるの出来るスポーツ」とも言われている。カーリングのワールドツアー、軽井沢国際選手権は12月17日、長野県軽井沢町の軽井沢アイスパークで1次リーグと準々決勝を行い、女子A組はすでに1次リーグ敗退が決まっていた昨季世界選手権2位のLS北見がスコットランドチームに2-9で敗れて1勝3敗で終えた。
 その結果を踏まえて、カーリング女子・LS北見の不振とともに、チームを牽引する“マリリン”こと本橋麻里(30)の動向が注目されている。

 軽井沢国際カーリング選手権が12月15日から開かれたが、'15年世界選手権銀メダルのLS北見は初戦を黒星スタート。リーダーの本橋は溜め息をついた。第7エンド終了時には5点差をつけられ、“ギブアップ”を意味する握手を求めた。
 「LS北見の完敗でした。11月に行われたパシフィック・アジア選手権でも3位に終わり、世界選手権出場権を逃している。戦略の立て直しは不可欠でしょう」(体協詰め記者)

 本橋は五輪2大会を経験している。ベテランとして、チームの不振を予見していたのか、試合前は「追い掛ける気持ちになれるかどうか」とも語っていた。
 「'15年、世界選手権で銀メダル獲得という快挙を成し遂げたLS北見は、強豪国から厳しくマークされています。本橋は『自分たちが挑戦者の気持ちにならなければダメだ』と後輩たちに訴えていましたが…」(同)

 「追い掛ける」との肉食宣言も20代半ばの若い同僚たちには響かず、空回りに終わったようなのだ。
 「本橋が試合に復帰したのは、11月のパシフィック・アジア選手権途中からで、銀メダルを獲得したメンバーには入っていませんでした。'15年10月に第一子を出産した本橋は応援にまわり、そこで若い藤澤五月などが頭角を現したのです。確かにメダル獲得は本橋の的確な後方支援の賜物かもしれませんが、今回の初戦敗退で“本橋はそろそろ身を引くべきでは”との空気も漂い始めた。ただ、LS北見は彼女が立ち上げたチーム。口が裂けても言えないでしょう」(同)

 LS北見はおとなしい草食系の選手ばかり。アイドルの座も、本橋からロリ系の藤澤に移りつつあるのが現状だ。実際、若手にとって本橋は“重すぎるストーン”の存在になっている可能性がある。
 しかし、スポーツライターの飯山満氏はこう言う。
 「試合会場に託児所を設ける点などで遅れている日本ですが、本橋は出産直後も医師と相談しながら練習を続け、産後も子どもを連れて会場入りしている。その行動は東京五輪を含む今後のスポーツ環境作りにも繋がるはずです。その意識も、彼女が現役にこだわる理由なのかもしれません」

 19歳でトリノ五輪に出場してカーリング娘のマリリンとして人気を集めた本橋も30歳。結婚、出産を経験してママとして初の五輪出場を目指している。年明けはカナダ合宿から1月末の日本選手権に向かうLS北見は、連覇を達成すれば再来年2月の平昌五輪の日本代表が決まる。本橋の役割は重い。マリリン、いやママリン頑張れ!