イラク戦で劇的ゴールを決めた山口蛍【写真:Getty Images】

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2016年日本サッカー10大ニュース

 12月31日を迎え、2016年も終わりを迎えようとしている。今年のサッカー界でも様々な出来事が話題となった。この1年間を振り返り、今年起きたサッカー10大ニュースの【日本編】をご紹介しよう。

なでしこ、まさかの五輪予選敗退。16年ぶりに本大会出場権逃す

起こった時期:3月7日

 2011年ドイツワールドカップ女王であり、2012年ロンドン五輪では銀メダル獲得、2015年カナダワールドカップでは準優勝と近年の国際大会で華々しい実績を残してきたなでしこジャパンだが、2016年は苦しい1年となった。

 大阪で開催されたリオ五輪アジア最終予選で、初戦のオーストラリア戦を1-3で落とすとその後も勝ち点3を掴むことができず。4試合目でベトナムを6-1で下して初勝利を収めるも、その他の試合結果の関係で試合前に本大会出場権を逃すことが決まってしまった。

 女子サッカーが五輪の正式種目となってから、なでしこジャパンが本大会に出場できなかったのは2000年シドニー大会以降16年ぶりのことである。

 この予選を最後に佐々木則夫監督は退任。U-20女子代表を率いる高倉麻子氏がなでしこジャパン史上初の女性監督として就任した。2017年は、なでしこジャパンが再び世界の舞台で大輪の花を咲かせるための挑戦が続く。

Jリーグに“黒船”DAZN襲来! 10年総額2100億円の大型放映権契約

起こった時期:7月20日

 Jリーグは7月、英放送局パフォーム社と来季からの10シーズンに渡って総額2100億円の大型放映権契約を締結したことを発表した。

 同社が提供する「DAZN(ダ・ゾーン)」により、インターネット環境を通じてJ1、J2、J3などの試合が生中継される。

 この大型契約により、来季のJリーグの予算は今年度の135億4300万円から265億900万円に倍増。これにより、村井満チェアマンはクラブへの均等配分や賞金の増額、強化配分金の創設、放送環境の整備などに投資することを明言している。

 また、大型放映権契約の締結は2015年から復活した2ステージ制の廃止にも繋がった。当初はシーズン中に見所の山場を設けて放映権収入を増やすために2ステージ制移行が決行されたが、パフォーム社との大型契約によって1ステージ制回帰に踏み切った。

 突如JリーグにやってきたDAZNはまさに“黒船”ともいえる存在だが、来年も多くの変化をJリーグにもたらすかもしれない。

痛恨! ハリルJ、最終予選のホーム開幕戦でUAEに逆転負け

起こった時期:9月1日

 ロシアワールドカップアジア2次予選を無敗で通過し、最終予選進出を果たした日本代表。6大会連続のワールドカップに向け、最終予選初戦に迎えた相手はアジアカップで苦杯を舐めたUAE代表だった。

 前半に本田圭佑のゴールで先制したハリルジャパンだったが、その後はFKとPKで失点。逆転どころか同点ゴールも決められず。

 日本は浅野拓磨がゴールのこぼれ球を押し込み、同点ゴールを決めたかに思われたが、シュートはゴールライン上で相手GKに掻き出されてしまった。

 リプレイを見る限り、ボールはゴールラインを割っていたようにも見えたが、カタール人のアル・ジャシーム・アブドゥルラフマン主審はゴールを認めなかった。

 ホームで“中東の笛”の洗礼を受けた日本代表は痛恨の逆転負けを喫し、最終予選で黒星発進となった。

山口蛍が劇的ゴール! 危機的状況のハリルJを救う豪快ボレー

起こった時期:10月6日

 ワールドカップアジア最終予選の開幕戦でUAEに敗れたハリルジャパンは、続くアウェイでのタイ戦に勝利して勝ち点3を得たものの、依然として厳しい状況に置かれていた。

 予選3戦目でイラクをホームに迎えた日本代表は、原口元気の最終予選2試合連続ゴールで先制するが、またもセットプレーから失点して同点に追いつかれてしまう。

 時計の針も90分を過ぎ、誰もが引き分けを覚悟したところで奇跡が起きた。途中出場の山口蛍が豪快なボレーシュートを叩き込み、日本代表は劇的な勝利を収めた。

 引き分けでも本大会行きが危うくなるところだったが、山口の代表2ゴール目が何とかハリルジャパンの危機的状況を救う結末となった。

育成年代が世界で躍動! U19男子がアジア初制覇、U17女子はW杯準V

起こった時期:10月30日(U-19日本代表の選手権優勝決定日)

 男子日本代表はワールドカップ最終予選で苦戦を強いられ、なでしこジャパンはリオ五輪出場権を逃すなど落胆が多かった男女A代表の一方で、アンダーカテゴリの代表チームは世界の舞台で躍動していた。

 U-19男子代表はバーレーンで開催されたアジアU-19選手権を順調に勝ち進み、決勝ではサウジアラビアをPK戦の末に下して大会初優勝を遂げた。また、それと同時に来年韓国で開催されるU-20ワールドカップの出場権も掴み取っている。

 また、“ヤングなでしこ”(U-20女子代表)はパプアニューギニアでのU-20女子ワールドカップで準決勝に進出。フランスに敗れて決勝進出は逃したが、アメリカを破って世界3位に輝いた。

 彼女たちよりもひとつ下の世代となる“リトルなでしこ”(U-17女子代表)は、ヨルダンで行われたU-17女子ワールドカップで決勝にまで駒を進めている。決勝では北朝鮮にPK戦で敗れて涙を呑む結果となったが、若き世代が将来に向けて明るい兆しを見せた大会となった。

またも“オリジナル10”が降格。名古屋がクラブ史上初のJ2へ

起こった時期:11月3日

 今季から小倉隆史氏がGM兼監督として就任した名古屋グランパス。しかし初めての監督業となった小倉氏は苦戦に苦戦を重ね、8月に“休養”という名目で退任することとなった。

 この時、名古屋は4勝7分15敗で降格圏の16位。この危機を脱するべく、かつてドラガン・ストイコビッチ監督(当時)の右腕としてリーグ優勝に貢献したボスコ・ジュロヴスキー氏に指揮を託し、昨季限りで退団していた田中マルクス闘莉王もブラジルから呼び戻した。

 ジュロヴスキー新監督就任後は6試合で3勝2分1敗と持ち直したかに思われたが、最後の2試合で連敗を喫し、クラブ史上初のJ2降格を喫した。

 Jリーグ創成期から加盟する“オリジナル10”のうちJ2に降格していなかったクラブは鹿島アントラーズ、横浜F・マリノス、そして名古屋の3クラブのみ。しかし、昨年の清水エスパルスに続いて再び“オリジナル10”がJ1の舞台から姿を消すことになった。

15歳・久保建英、15歳5ヶ月1日でJリーグ史上最年少デビュー

起こった時期:11月5日

 かつてバルセロナの下部組織にも所属していたFC東京の久保建英は、今年9月に15歳でトップチームの公式戦にも出場できる2種登録となったことが発表された。

 そして、11月5日に行われたJ3第28節のAC長野パルセイロ戦でFC東京U-23の選手として途中出場を果たす。

 それまでの最年少記録は当時東京ヴェルディに所属していた森本貴幸(現・川崎フロンターレ)が樹立した15歳10ヶ月6日だったが、久保は15歳5ヶ月1日で出場し、Jリーグ史上最年少記録を更新した。

 しかし、森本がデビューしたのはJ1での試合。対する久保はJ3での出場だったため、本当の意味で森本を上回ったとは言い難い。出場記録で森本を破ったと言えるのは、来年4月までにJ1のピッチに立った時だろう。

飛行機事故で元Jリーグ選手・監督4名が犠牲に

起こった時期:11月28日

 南米コロンビアで起きた惨劇は、世界中を悲しみで包み込んだ。ブラジル1部のシャペコエンセの選手やスタッフ、報道陣を乗せた飛行機が墜落し、71名の尊い命が犠牲となった。

 チームはコパ・スダメリカーナ決勝でアトレティコ・ナシオナルと対戦するため、コロンビアに移動する飛行機に搭乗したが、選手たちが決勝の舞台に立つことはなかった。

 犠牲者の中にはケンペス(元千葉、元C大阪)、チエゴ(元京都)、アルトゥール・マイア(元川崎F)、カイオ・ジュニオール監督(元神戸監督)といったかつてJクラブに所属した選手・監督も含まれており、日本でも大々的に報じられた。

 C大阪や川崎Fはクラブハウスに献花台を設置し、Jリーグでもチャンピオンシップ決勝戦やJ1昇格プレーオフなどの試合で黙祷を捧げられた。

鹿島、年間勝ち点3位でJリーグ制覇。賛否両論の2ステージ制に幕

起こった時期:12月3日

 今季のJリーグチャンピオンシップ決勝は、年間勝ち点1位の浦和レッズと年間勝ち点3位の鹿島アントラーズが対戦した。

 アウェイでの第1戦を1-0で勝利した浦和だったが、ホームでの第2戦は金崎夢生に2ゴールを許し逆転負け。2試合合計2-2となったが、アウェイゴール差で鹿島が今季のJリーグ王者に輝いた。

 この1年間で浦和が積み上げた勝ち点は「74」だったのに対し、鹿島は「59」。勝ち点差15が2試合で覆された結果に、優勝した鹿島の選手たちも複雑に心境を吐露していた。

 導入に賛否両論あった2ステージ制は、2年で幕を降ろす結末となった。

クラブW杯で鹿島が躍進! レアルと互角の戦いを演じる

起こった時期:12月18日

 チャンピオンシップを制したことにより、日本で開催される出場権をクラブワールドカップの開催国枠代表として得た鹿島。オークランド・シティ(オセアニア代表)との開幕戦を制すると、マメロディ・サンダウンズ(アフリカ代表)も制してアトレティコ・ナシオナルが待つ準決勝へ。

 試合を通じて押し込まれる展開が続くも3-0で南米王者を下し、鹿島は日本のクラブとしては史上初となる決勝進出を果たした。

 決勝の相手は欧州王者レアル・マドリー。世界屈指のビッグクラブ相手にも鹿島は一歩も引かず、柴崎岳の2ゴールで一時は逆転に成功する。

 その後は同点に追いつかれ、延長戦の末に2-4の敗戦を喫してしまったが、マドリーを終始苦しめ、互角の戦いを演じた鹿島は世界中から称賛を集めた。

text by 編集部