あの炎上CMを作った“外圧おじさん”は「逃げ恥」で勉強し直せばいいよ

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 人気女性ブロガーの「ぱぷりこ」さんが、2016年を振り返ります(寄稿)。

◆2016年もよく炎上した

 おじさんたちの「働く女への応援」マーケティングは、今年も的外れで昭和スメルだったな。それに対して、女たちは今年も「ノー」と言い続けたな。

 東京で働くアラサー女のひとりとして、2016年インターネッツを振り返った感想です。

 10月は資生堂の化粧品「インテグレート」が、「頑張りが顔に出ているうちはプロじゃない」と男性上司に言われることで「大人の女性」の化粧に目覚める、というCMを公開して炎上。

 直後には東急電鉄が「電車内での化粧はみっともない」というCMを出してこれまた炎上。私としては「電車内での化粧はふいの揺れがくるとエジプトの神々みたいな目元になるし、化粧しても会社でしょモチベわかなすぎだよねメガネ最強だよね」派なのでやりませんし、「マナーが悪い」のかどうかは人によって感覚がわかれるところだと思うんですが、「みっともない」はない。

 太古のことなので皆さん忘れてるかもですが、2015年にルミネが「働く女性たちを応援するスペシャルムービー」シリーズで炎上した件を覚えていますでしょうか? あれも似たようもので、地味な容姿の女性が男性上司に「(地味な女は)需要が違う」と冗談っぽく言われて「変わりたい? 変わらなきゃ!」と謎に一念発起したため、これまた炎上。

 オー、学んでない!「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」って偉い人が言ってたけど、経験からすらも学んでない! オー!

◆「働く女性を応援する」と言いながらダメ出し

 これらの炎上に共通しているのは「外部からの“みっともない”という視線をタテマエにして、女に変化を迫る」構造です。

 そもそもCMの根幹メッセージは「現状から変わろう。そのために商品を買おう」です。

「現状から変わるために行動しよう」というメッセージ自体は別にいいよ。リンカーンだってガンジーだって言ってるし。問題は「どの現状からどの理想に動くか」という構造です。これは2パターンあります。

・現状に課題があるので、軌道修正してゼロに戻す
・現状に特に課題はないが、より満足が高いものにする

 で、炎上したのは全部「マイナスの現状を軌道修正するために行動しろ」というメッセージなんですよね。

・マイナスの現状:地味な服装で需要がない女、疲れを顔に出す女、電車の中で化粧をする女=外部から見てみっともない女
・あるべき理想:おしゃれで需要がある女、疲れを顔に見せない女、電車の中で化粧をしない女=外部から見てみっともなくない女
・ギャップを埋めるための行動:服を買う、化粧品を買う、電車の中での化粧をやめる

 しゃらくせえ。ま、炎上して当然だよね★女たちがノーと言うの当然だよね★

 って思うんですが、炎上後に企業が「働く女性を応援したかった」などと言っているところからして、女性が主体の「自分の未来をよりよくするために変わりたい」と、外圧(CMでの意思決定権を持つおじさんたち)からの「お前たちはみっともない現状だから改善せよ」を本気で混同している気がします。尊敬語と謙譲語の構造が違うのと同じなのに、なぜわからないのか意味ぷー。

◆外圧フリーの「逃げ恥」人気

「女は男から見てこうあるべき」という外圧メッセージは、もはや炎上待ったなし案件。周りを見ていても「女はこうあるべき」という常識や男性からの要望に疲れている女性はすっごく多い。

 じゃー彼女たちはどんなメッセージを受け取りたいのか? ってことなんですが、ここで考えたいのが先日ドラマが終了した『逃げるは恥だが役に立つ』。

 ドラマは細かい作り込みやキャスティングや恋ダンスなどのエンタメ要素が素晴らしかったのでヒットして当然かなとも思うんですが、特にいいなと思ったのが「男が望む女」という外圧に悩みつつもそれに従わないところ。