日米開戦の舞台となった米ハワイの真珠湾を訪問した安倍首相は、真珠湾を「和解の象徴」と位置付けた。これに対し、中国政府は「和解は加害者の深い反省の上に成り立つ」と反発。韓国紙からも「姑息な行為」などの批判が続出した。真珠湾

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2016年12月31日、日米開戦の舞台となった米ハワイの真珠湾をオバマ米大統領と共に訪問した安倍晋三首相。歴史認識には触れず、真珠湾を「和解の象徴」と位置付けたが、中国政府は「和解は加害者の深い反省の上に成り立つ」と反発した。韓国紙からも「姑息(こそく)な行為」などの反応が相次いだ。

中国外交部の華春瑩報道官は28日の記者会見で、真珠湾訪問について「(戦争の)加害者と被害者の和解は加害者の深い反省の上に成り立つ」と強調。「何度も器用にパフォーマンスをするよりも、一回の心からの深い反省をする方が未来にとって有益だ」と批判した。

中国共産党中央委員会機関誌・人民日報は28日付で「日本が侵略したアジアの被害者に向けた謝罪を優先せず、米国まで行き『慰霊』したことは日米両国で批判を受けている」と報道。人民日報の国際版・環球時報は社説で「訪れる場所が間違っている」と主張し、旧日本軍による南京事件の犠牲者を追悼する記念館などを訪問するよう求めた。中国人民解放軍の機関紙・解放軍報は「歴史は取引の材料とすべきではない」として、安倍首相の訪問を受け入れた米国も強く批判した。

さらに、国営新華社通信は「中国など被害が深刻な国を訪れて犠牲者のために慰霊しないのは何故なのか。このダブルスタンダードのいわゆる『慰霊』のどこに第2次世界大戦の歴史を反省するわずかばかりの誠意があるというのだろうか」などと非難した。

一方の韓国。聯合ニュースによると、外務省報道官は「政府としても関心を持って関連動向を見守っている」と述べるにとどめたが、主要紙では5月のオバマ大統領の広島訪問時同様、批判的な論調が目立った。

中央日報は社説で「安倍氏は今回の訪問でも第2次世界大戦を引き起こしたことに対し、謝罪や反省の話はしないという。これは韓国や中国など日本の侵略で途方もない被害を受けたアジア諸国に対する礼儀ではない。米国だけに和解のジェスチャーを送れば、目の前の国益だけを追う姑息な行為だとする非難を免れがたい」と論難。朝鮮日報も「普通に考えれば安倍首相はその場で世界中に向けて謝罪するのが当然だ。ところが安倍首相はアリゾナ記念館で献花を行った後、『二度と戦争を繰り返さない』と語るだけで終わった」と指摘した。

ハンギョレ新聞は東京特派員発で「安倍首相に韓米日の学者たちが公開質問状」との記事を掲載。「安倍首相は今回の真珠湾訪問を最後に日本の植民地支配と戦争責任に関する議論に終止符を打つという計画を持っている」として、映画監督のオリバー・ストーン氏、東京大学の高橋哲哉教授、韓国・聖公会大学のクォン・ヒョクテ教授らが作成に参加した質問状が問題視しているのは「安倍首相の歪曲(わいきょく)された歴史観である」と伝えた。(編集/日向)