2016年の中国の出来事を振り返る「中国10大ニュース」。今回は長城の修復問題を取り上げる。

写真拡大

2016年に中国で起きた大きな出来事、話題となったニュースを10回にわたって振り返る。今回取り上げるのは、長城の修復問題。

中国が世界に誇る歴史的建造物「万里の長城」で、とんでもない修復工事が行われていたことが今秋、国内外の関心を呼んだ。

現場となったのは東北地域の遼寧省にある長城だ。自然のままの姿で残るこの長城は「最も美しい野長城」として知られていたが、修復作業のせいで雑に作られた道路のような姿へと変貌した。

写真を見たネットユーザーからは非難が続出し、修復当時の省文化庁文物保護センターの責任者で、実際に計画を考案した人物は自身のブログで「すべてコンクリートで固めたという報道は事実ではない」「壁面や上部を固めて補強しなければ、数年のうちに全体が崩壊する恐れもあった」と指摘するも、修復後の見た目の悪さについてはこれを認めた。同氏によると、計画ではしっくいを使うことになっていたという。また、問題についてコメントを求められた同省の文物局トップが「自分には関係ない」と発言したことも波紋を広げた。

1987年に世界文化遺産に登録された長城だが、風化による損壊だけでなく、付近の住民によるれんがの盗み出しや観光客が文字を刻むなどの問題も発生、資金も人も不足する中でいかに保存するかが大きな課題となっている。国家文物局が先ごろ発表した「中国長城保護報告」によると、現存する長城の長さは2万1196キロ。各時代に建造された長城は北京、河北、山西など15省区市に分布している。これまで政府が文化財保護の仕事を担ってきたが、この先は非政府組織(NGO)やボランティアなどの力を動員する方法が模索されている。(編集/野谷)