健全な金銭感覚を育む「子どものお小遣いルール」

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執筆:石村 衛(ファイナンシャルプランナー)

友だちがお小遣いを使っている姿を見れば、「○○ちゃんはいいな〜、ボク(わたし)も欲しい」と子どもが思う心情は、当然といえるでしょう。

また子どもから「○○ちゃん家はお小遣いをもらっている」と聞けば、親は「うちはどうしよう?」と悩むのも自然な流れかもしれません。

ここでの悩みどころは、子どもにお小遣いを与え始める「年齢」と「金額」です。

家庭ごとに事情が異なりますし、基準を判断するのは難しいですよね。そもそも子どもにとってのお小遣いの意義とは何なのでしょうか。

わが子の顔を思い浮かべながら、いっしょに考えてみましょう。

一般的にお小遣いを与え始める時期はいつ?


子どもにお小遣いを与え始める時期は、足し算・引き算を学習する小学校への進学がきっかけとなるでしょう。


このタイミングでお小遣いを与えることは、「モノの大切さ」と「お金の大切さ」を同列で考えさせるという意味で、早すぎるというわけではありません。

しかし、小学校入学直後では、まだ算数を学習し始めたばかりで、実践的なお金の計算は事実上困難といえます。ですので、一般的にお小遣いを与え始めるのは、二桁、三桁の計算能力が身につく小学校3年生〜4年生が多いようです。

とはいえこの時点でさえ「うちの子にはまだ早い!」と思う家庭は少なくないでしょう。

お小遣いから学び取れること

子どもは、お小遣いから「何を学び取るのか」を考えてみましょう。お小遣いをもらった子どもは、そのお金を使って「今欲しいモノを手にする喜び」を得ます。

その反面、使ってしまえば「お小遣いは減少する」という現実も知ります。

次にまた欲しいものが出てきますね。しかしここで、お金が足りなくなる場面に遭遇させることで、不自由さ(我慢)という経験をさせることが大切です。

この場面で保護者は、心を鬼にして対処したいものです。

一方で、お小遣いは、すぐに使わずに「貯める」こともできます。お金を貯めて1回のお小遣いでは買えない「高額なモノを手にする」という達成感を得る機会も訪れるでしょう。

もし目的を持たずに何となくお金を貯めようとするのであれば、「モノを得る喜び」や「達成感を得られない」というむなしさについても保護者はしっかり伝えてあげましょう。

お小遣い使うにしても貯めるにしても、お金の計算が不可欠となるため、子どもは算数の勉強の必要性を感じ取るはずです。

子どもに与えるお小遣いは、いわば「お金を使い、貯める練習」であり、算数の実践教育といえます。

金額はどう決める?

保護者がお小遣いとして与える金額については、練習を始めたばかりの頃は少額からスタートして、練習を重ねていく過程で金額を増加させる方法があります。例えば、“学年×100円”という金額が子どもにとっては分かりやすいと思います。

しかし、こうした金額も何となく親が決めるのではなく、事前に子どもと話し合い、子どもがお小遣いで買っても良いとする金額も決めて、その範囲にあった金額を与えるほうが、お金の使い方、貯め方を子ども自身が工夫すると思います。

与える金額や買ってもいい金額範囲などの変更は、練習の到達度(子どもの成長)に合わせ、広げてみてはいかがでしょう。

子どものお小遣いは、将来自立を促すための手段であり、保護者の腕の見せどころです。「金さえあれば・・・」という誤ったお金の魔力に惑わされることなく、健全な金銭感覚を養うための第一歩といえるでしょう。


<執筆者プロフィール>
石村衛(いしむら・まもる)
FP事務所:ライフパートナーオフィス代表ファイナンシャルプランニング1級技能士(CFP)東洋大学卒業。メーカー勤務の後、FP事務所:ライフパートナーオフィスを横浜市戸塚区に開設。地域に根ざしたFP活動を志向し、住宅ローン、不動産・証券投資、保険、貯蓄・など一般家庭のお金にまつわる様々なアドバイスを行っている。 お金に係わる出前授業を小・中・高校で実施。また、高等学校の保護者会などで進学費用や奨学金・教育ローンの講演多数。東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザーとして活動中