2016年の中国の出来事を振り返る「中国10大ニュース」。今回は中台関係を取り上げる。資料写真。

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2016年に中国で起きた大きな出来事、話題となったニュースを10回にわたって振り返る。今回取り上げるのは、中台関係。

台湾で5月20日、蔡英文(ツァイ・インウェン)新総統の就任式が行われた。蔡氏が率いるのは独立志向が強いとされる民進党だ。「一つの中国」原則に触れられなかった就任演説に対し、中国側は「独立志向を進めることに断固反対」「中台が『一つの中国』原則を認めたとする『92年合意』を明確に受け入れない限り、台湾側の行政院大陸委員会との対話・連絡メカニズムを中断する」と強硬姿勢を見せた。

蔡氏が総統選(16年1月)で圧勝した当時、台湾の識者からは中台関係の先行きを懸念する声が上がり、中国人観光客の訪台が激減するとの見方も広がった。この予想は的中し、台湾メディアは「5月20日から11月1日までに、前年同期比32%減になった」と報道。中国人観光客が犠牲となるバス炎上事故が追い打ちをかけ、8月には中国からの団体客を専門に扱ってきた旅行会社が業務を突如停止したとのニュースが「新政権発足後、中国人客減少により倒産した初の旅行会社」と注目を集めた。そして9月には観光関係者ら約1万人が中国人観光客の呼び戻しを求めるデモに参加。これに対し、中国政府で対台湾政策を担当する部署の報道官は「一つの中国」を認めない台湾側に責任があるとの認識を示した。

台湾交通部観光局の発表によると、2016年の訪台旅行客は今月11日に1000万人を超えた。昨年より9日早い達成だが、かつて40%を占めていた中国人旅行客の比率は30%に縮小したという。

中台関係をめぐっては、トランプ次期米大統領が今月2日、蔡総統と慣例破りの電話会談を行い、中国が米国に抗議した。その後トランプ氏は「なぜ『一つの中国』に縛られないといけないのか分からない」と発言。中国の王毅(ワン・イー)外相は「『一つの中国』原則の破壊は中国の核心的な利益を損なうことに繋がり、結果として(原則を破壊した)本人を害するだけだ」と不快感を示した。また、中国外交部直属の中国国際問題研究院の研究者からは「蔡政権下で中台危機の勃発は避けられない」との指摘が出るなど、緊張感が漂っている。(編集/野谷)