【自動車死語の世界】「重ステ」って何?

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20代はもちろん30代でも未経験の可能性大

そもそも「重ステ」とはなんぞや。ヘタをすれば30歳代の方でも知らないかもしれない。携帯電話って生まれたときからありました的な、パワステしか知らないんです、と言われても仕方がないぐらいの死語ではある。

重いステアリング、通称「重ステ」というわけで、正式名称ではなくてあくまでも俗称。パワーステアリングが登場し始めた1970年代頃に、対比的に使われるようになったもので、パワステ←→重ステというわけ。そもそもそれ以前であれば重たいステアリングしかないので、わざわざ重ステなんて呼ぶ必要もなかった。

なぜ重ステが廃止になったかというと、ズバリ重たいから。身もフタもない答えだけど、体験したことがないアナタに教えてあげると、めちゃくちゃ重たい。そんなこといっても、せいぜいパワステの5割増しぐらい? なんて思うかもしれないが、甘い! 今でもたまに運転するけど、3〜5倍ぐらいだろう。

まずすえ切りはかなり根性入れないとダメ。重ステ時代のクルマはハンドルの径がかなり大きいけど、それはテコの原理を利用して重たいのを回すためでもあった。大げさでもなんでもなく、体重をかけるようにしないとダメ。タイヤが少しでも回ると、これまた少し軽くなるので、すえ切りは極力避けて、チマチマ動きながら車庫入れなどをしたものである。

なかでもとてつもなく重たかったのが、FFの重ステ。駆動と操舵がすべて前輪にあるだけに、固めてあるんじゃないかというぐらいに重たかった。懐かしいけど、もう戻ってきて欲しくない装備というか状態だ。モーターがアシストしてくれるなんて、夢にも思わなかった時代のお話しである。