金正恩党委員長が北朝鮮の最高指導者に就任してからの5年で、銃殺または粛清された人が340人に達することが明らかになった。

韓国国家情報院のシンクタンク、国家安保戦略研究院は、金正恩政権の5年間についてまとめた「金正恩執権5年の失政白書」で、金正恩氏が3代世襲権力を固めるために、自身の伯父の張成沢氏をはじめとして、高級幹部や住民340人を公開銃殺または粛清したと明らかにしている。

白書によると、処刑または粛清された幹部は2012年には3人だったのが、2013年には約30人、2014年には40人、2015年には60人と急激に増加した。2015年に玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長を処刑してからは、しばらくは自制していた模様だが、今年に入ってから再開し、幹部3人を処刑した。今までに処刑された幹部の数は140人にのぼる。

処刑された代表的な人物として挙げられたのは、張成沢氏、玄永哲氏以外に、内閣副総理だった金勇進(キム・ヨンジン)氏、崔英健(チェ・ヨンゴン)氏、辺仁善(ピョン・インソン)総参謀部作戦局長などだ。

白書はまた、処刑の対象が党・政・軍を問わず拡大、幹部の処刑が日常化しているとした上で、一般国民の処刑も増えていると指摘した。今年に入って8月までに公開処刑された一般国民の数は60人以上で、過去4年間と比べて2倍以上となったと指摘した。

白書はまた、金正恩氏が兵器開発や偶像化事業に多額の予算を注ぎ込んでいると批判している。つぎ込んだ額は、29回の核実験・ミサイル発射に3億ドル、金氏一族の銅像など460の偶像物制作に1億8000万ドルだ。

莫大な財政負担とプラスして、並進路線による経済破綻、不正腐敗の悪化、南北朝鮮の関係悪化、などの悪材料を挙げ、2017年には体制にほころびが生じるだろうと見ている。

金正恩氏は父金正日氏の死去から約2週間後の2011年12月30日、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の最高司令官に推戴され、翌年4月には、朝鮮労働党代表者会議と最高人民会議で、党と政府の権力を手中に収めた。