東日本&東京「禅寺・瞑想スポット」ベスト22

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「そもそも、どこでやっているかわからない」禅や瞑想に関心を抱きながらも、そんな理由であきらめるなかれ。実は全国津々浦々、参加できる会はある! 各地の正統派&変わり種スポットを一挙紹介。

自分の心を整えよう、と思ったときに取り組んでみたくなる禅や瞑想。しかし関心があっても、実際にやるとなるとハードルが高そうでしり込みするのではないだろうか。

しかし実は全国各地で、一般に開放された会は多数行われている。傾向として多いのは、初回は予約制で住職が作法を説明し、2回目以降は自由に参加できるタイプだ。「地名+坐禅会」などの検索で催し自体は容易に見つかるが、web経由で予約できる寺はわずか。希望者は参加費の確認を含めて、電話で詳細を問い合わせておきたい。

また由緒ある寺に一般人が乗り込んだら嫌がられるかも……という心配は無用だ。各スポットに尋ねたところ、「お寺はもともと心の安らぎを求める憩いの場。気楽にお茶を飲みながら楽しい一時を僧侶と共に過ごしてください」(寺カフェ代官山を運営する信行寺・浅野弘毅住職)の意見に代表されるように、「気軽に禅にふれてもらいたい」「寺院と行事のハードルは高くない」という声が目立った。「地域社会が変化し、葬儀のビジネス化が進む流れのなか、寺院も変わらずにいられません。布教が当然の務めであるのを肝に銘じて、みなさまと向き合うため行事についても考えたい」(林昌寺・武内祐介住職)と、寺側も交流を求めているのである。

また窓口は寺とは限らず、次ページで紹介する弘前の禅林街のように観光協会主導だったり、旅行会社がツアーに組み込む坐禅体験もある。瞑想に関しては、真言密教の瞑想法・阿字観体験を提供する寺が各地にあり、ヨガのプログラムの中に組み込まれていることも多い。

「本をいくら読んでもスポーツがうまくならないように、実践が大切。ぜひ坐禅会などに足を運んでください」(東光寺・横山友宏副住職)

興味があれば、近くの現場へ。

■街コンの次は「坐禅コン」

合コン、街コン。さまざまな出会いの場が催される中、注目を浴びるのが「坐禅コン」だ。

婚活イベントを提供するベストパートナー主催の「坐禅コン」では、毎回30名以上の男女が寺に集合。参加者は30〜40代が中心で、「歴史や日本の文化に興味を持っている方が多く、他のイベントより落ち着いている印象」(担当者)だという。

まず異性同士による1対1の自己紹介タイムが一通り済んだ後、住職に指導してもらい、坐禅を約20分。そして説法を頂戴したら、グループトークタイムへ。ここで各自、連絡先の交換や2次会の声がけをして、イベントは終了だ。

「坐禅経験を共有した前と後では、話しているときの表情が全然違います。特に『住職から喝をいれてもらった感想』で盛り上がることが多いですね。6〜8割の方が2次会へ行かれております」(担当者)

というからカップル成立率は高そうな気配。僧侶ならぬ伴侶が見つかるかもしれない。

■<東日本編>滝行、温泉、山の中……禅や瞑想はさまざまな生活の中に根づいている

■1. 禅林街(青森県弘前市)

▼弘前市内観光とあわせて体験
「みちのくの古都」と呼ばれる弘前。その中にある禅林街は曹洞宗の寺が33も集まる寺院街だ。そこで弘前観光コンベンション協会が、10年ほど前から修学旅行生向けのメニューとして坐禅体験を開始。最近も利用者は中学生中心だが、企業研修やインバウンドなどの利用が増えている。参加するには10名以上で、1週間前までに協会への予約が必要。

■2. 仙林寺(福島県伊達市)

▼行動するお寺で坐禅する
子供会寺子屋イベント、各種セミナーを積極的に開催する“行動するお寺”。日曜には初心者体験坐禅会があり、そこで慣れると火曜の朝の定例坐禅会に参加可能。特に志のある者に向けて毎朝行われる坐禅会もある。

■3. 大陽寺(埼玉県秩父市)

▼大自然の中で、究極の自然体に
秩父の大自然に囲まれ、最寄りのバス停から徒歩2時間という立地は、その名も「天空の寺」。絶景を拝める座禅堂での座禅体験は予約制。精進料理・露天風呂を満喫できる宿坊に泊まれば1名から、日帰りは5名から参加できる。

■4. 仙人修行(秋田県東成瀬村)

▼仙人志願者が全国から集結!
「仙人」認定を目指して全国から志願者が集う仙人修行。毎年8月上旬に行われ、2015年で31回目を迎えた。3日間の修行では断食、わらじ作り、滝行などを行い、最終日の坐禅の後、仙人認定証が渡される。2015年は20〜70歳が参加した。

■5. LIFE(神奈川県川崎市)

▼賃貸マンションに瞑想スペース
通常の集合住宅と変わらない外観だが、建物左側の空間に約11.5平方メートルの居住者専用メディテーションスペースを常設。約15分間、光とミラーの反射や音楽に包まれることで、リフレッシュできる。オリジナリティが高いため不動産価値の面でも好評。賃貸住宅に個性を求める居住者も多く、空室率も全般的に低いという。

■6. 禅の湯(静岡県賀茂郡)

▼伊豆半島で温泉に癒やされながら……
曹洞宗・慈眼院の境内地にあり、住職の家族が経営する宿。日曜の朝には隣接する寺院で約45分間の坐禅が体験できる。その他、瞑想できる岩盤浴、体の疲れをほぐしてくれる温泉、伊豆の大地で育った野菜など、くつろげる要素が満載。平日の利用は40代以上のビジネスマンが中心のため、坐禅を含めた企業向け研修プランも検討中だ。

■7. 東光寺(静岡県静岡市)

▼ハマる子どもを見て、参加する親も
2016年3月21日〜4月3日に開催された「子供坐禅会」では、朝から坐禅を15分。参加を続けるうちに姿勢がよくなり、3回でお経を覚えてしまう子どもも。名称は「子供」だが、保護者や大人だけでの参加も歓迎。長い時間を希望する者には、毎月第3土曜日夜の坐禅会を案内している。発展版として1日をお寺で過ごす「夏休み禅寺・寺子屋体験」もある。

■8. 円覚寺(神奈川県鎌倉市)

▼武家の古都・鎌倉で毎朝開催
日曜祝日も含む毎朝、午前6時から行われる「暁天坐禅会」、第2・第4日曜に法話がある「日曜説教坐禅会」、初心者でも気兼ねなく参加できる「土曜坐禅会」など、幅広い会を開催。基本的に予約不要で、団体参加は不可。

■9. 總持寺(神奈川県横浜市)

▼さまざまな参禅のコースを提供
毎月、指定日に自由参加の「月例参禅」「暁天参禅」、英語の指導がある「英語参禅」を行う。予約すれば、個人・団体の宿泊参禅にも対応し、8月には夏期参禅講座を予定。詳細は總持寺HPの「参禅のご案内」を参照。

■<東京編>カフェやバーで瞑想体験ができるところも

■10. 擇木道場(台東区)

▼途中入堂もOK! 忙しい人向けの座禅会
金曜21時から「東京で夜一番遅い座禅会」を開催。主催者は現役SEで、作法さえ覚えれば途中入堂もOK。2階の禅堂では0時まで坐禅ができ、宿泊可能なのも嬉しい。参加者は仕事帰りのビジネスマンが中心で、在家のまま修行ができる人間禅の座禅会としては日本最大規模を誇る。異業種交流も兼ねた「禅セミナー」を計画中。

■11. basiピラティス本郷三丁目スタジオ(文京区)

▼体を動かした後、個室で瞑想を
心と体をコントロールするエクササイズ・ピラティスのスタジオに瞑想ルームを完備。1名による入れ替わりの利用で、「空間が広すぎず狭すぎず遮断感があり、家よりも格段に落ち着いて瞑想しやすい、との声をいただいています」(担当者)。今後は瞑想をテーマにした特別レッスン、ワークショップを定期的に開催していく予定だ。

■12. 寺カフェ代官山(渋谷区)

▼現代の駆け込み寺。それはカフェだ!
「仏教の教えを通じて幸せに生きるコツをつかんでほしい」との願いのもと、お洒落な街の一画に誕生したカフェ。写経・念珠作りを随時行っており、酒を飲みながら僧侶と話せるイベントもある。2016年4月からビジネスマン向けイベントが始まり、企業経営、金融機関勤務経験がある住職のお話&精進料理でもてなしてくれる。

■13. 朝活禅(港区)

▼出勤前、東京タワーの近くで朝坐禅
曹洞宗によるプロジェクトで、東京グランドホテル5階にて午前7時から開始。全6回で、毎回、「姿勢」「呼吸」などのテーマを設けた指導の後、「読経」「写経」といった修行体験をして、段階的に坐禅に親しんでいく。坐禅の後は自由参加の茶話会があり、8時30分に解散。

■14. 坊主バー(新宿区)

▼酒。仏教の語らい。そして瞑想
仏教の普及を目的に2000年に開業した、おもなスタッフがお坊さんのバー。1日2回、お経と説法の時間があり、毎週月曜19時から「マインドフルネスの会」を開催。タイ国公式仏教海外伝道師プラ・チャーンチャイ長老が、10名程度の参加者に面接しながら、インドに伝わるヴィパッサナー瞑想を指導してくれる。

■15. 高野山東京別院(港区)

▼密教の瞑想・阿字観を体験しよう
高野山真言宗総本山金剛峯寺の別院で体験できるのは、真言密教の瞑想法である阿字観。梵字の「阿」を見ながら、呼吸を整えていく。月2回、土曜日の午前10時から瞑想し、11時に茶話会が開かれる。

■16. 東京マインドフルネスセンター(港区)

▼座り、歩き、時には食べながら瞑想
マインドフルネスを深めていくトレーニングを実施。その方法は、座る瞑想、歩く瞑想、ヨーガ、ボディスキャン、そして持参したおにぎりを五感を使って味わう食べる瞑想など。「ビジネスマンのみなさまには、特に身体に気づきを向けるヨーガ、呼吸・思考・感情を観察する座る瞑想をおすすめします」(担当者)。

■17. 朝日カルチャーセンター新宿教室(新宿区)

▼新学期の春。新しい知識を吸収しよう
禅や瞑想に関する講座が充実。2016年春は4月9日から「坐禅」(全6回)、4月24日から「瞑想ワークショップ」(全3回)が始まり、4月23日には「誰でもできるメディテーション・楽坐禅」(1回のみ)を開講した。

■18. マインドフルネス&ヨガネットワーク(豊島区)

▼春には庭園の桜を観ながらリラックス
目白駅周辺の庭園内和室で、心理療法をベースにしたマインドフルネスの瞑想会を行う。静座瞑想のほか、飲む瞑想や動作瞑想など、日常生活や仕事時間の中で活かせる瞑想を実践。平日は午後、土日は夜に開催されることが多い。「ストレスケアや自分と向き合う時間をつくりたいなど、どんな動機でも参加OKです」(主催者)。

■19. 香林院(渋谷区)

▼東京の朝座禅といえばここ!
月〜金曜の午前7時から行われる、著名な朝座禅会。広尾商店街の先にある山門を入ると寺がいくつもあり、塀伝い左にあるのが香林院だ。無料&申し込み不要だが、個人の問い合わせは受けつけていないので、とにかく行くべし。

■作家・田口ランディさん推薦スポット

▼試行錯誤して、自分に合うものを探そう

瞑想は毎日します。短ければ2分、長くて15分ぐらい。場所はこだわりません。ビジネスマンなら、電車で座りながらやってみてはいかがでしょうか。揺れるリズムもあるし、アナウンス以外静かだし。スマホよりも瞑想したほうが、人生よくなると思いますよ。

好きな会は、日本テーラワーダ仏教協会の冥想会です。坐禅はやらないんですけど、長光寺は興味ありますね。地下にある怪しい雰囲気が面白そう。それと林泉寺。外国人さんも訪れるライトな雰囲気が、初心者にはいいんじゃないかな。

瞑想と坐禅って、行き着くところはたぶん一緒だと思うんです。でも入り口が相当違うので、合う・合わないがある。だから何かひとつ試して、性に合わなくても、そこであきらめないでほしいですね。他の先生や教室にあたっていくと、求めていたものにめぐり合えるかもしれませんから。

■●田口ランディさん推薦!
20. 林泉寺(文京区)

▼30年続く都内の禅の発信地
月曜の早朝坐禅と水曜19時からの坐禅会は、外国人の参加も多い。現在は新本堂建立工事のため、近所の仮本堂で行われている。初心者は毎月第4土曜日19時からの会に参加できるので、前日までに電話で予約を。

■●田口ランディさん推薦!
21. 長光寺(新宿区)

▼新宿の雑踏を抜け、地下で坐禅を
ハローワーク歌舞伎町庁舎の向かい、ビルの谷間にある長光寺。その地下の一滴禅堂で開催される。初心者は毎月第2・第4土曜日、2回目以降は第1・第3土曜日の坐禅会に参加可能。HPに予約フォームがある。

■●田口ランディさん推薦!
22. 日本テーラワーダ仏教協会(渋谷区)

▼古くから伝わる“長老の教え”を学ぶ
お釈迦様の直接の教えであるテーラワーダ仏教についてわかりやすく説きながら、月に数回、ヴィパッサナー冥想を指導。宿泊の冥想会以外、予約は不要。勉強になったと感じたら、会の運営費になるお布施を渡そう。

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田口ランディ
作家。2000年、『コンセント』で小説家としてデビュー。『坐禅ガール』(祥伝社)などの著書がある。

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(鈴木 工、田口ランディ=文 )