「Thinkstock」より

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 衣類をはじめとした繊維製品のタグなどに記載されている洗濯表示マークが、今年12月1日から国際規格に統一されるかたちで変更されていたことをご存じだろうか。

 新たな洗濯表示マークには、「洗濯の仕方」「漂白の仕方」「乾燥の仕方」「アイロンのかけ方」「クリーニングの種類」の5つの基本マークがあり、それに洗濯する際の強さや洗濯水の温度を示した付加記号も組み合わされている。

 従来の表示では「手洗イ」「ドライ」といった日本語表記もあったが、これらの日本語での説明はなくなり、記号だけで示すものとなっている。また、従来は計22種類だったマークが計41種類と倍近くまで増えたのも特徴である。

 また、12月1日に販売されている全商品が一斉に新マークになったわけではなく、それ以前から存在する在庫に関しては当然ながら従来表示のままだ。そのため、しばらくは従来表示の商品と新表示の商品が混在することになる。こういった事情から、「とまどう人が続出するのではないか」との意見があるのも事実だ。

●「洗濯機」マークが消えて「洗濯桶」に統一

 年末の大掃除を機に、「いろいろと洗濯しよう」と考えている人も多いだろう。しかし、この洗濯表示マークの変更によって、洗い方が変わるなどの影響はあるのだろうか?

 そこで生活情報サイト「All About」にて「家事」ガイドを務める毎田祥子氏に話を聞いた。

「基本的に実際に洗濯をする上で大きな変化はありませんし、今回の国際規格への統一は、慣れてしまえば以前の表示よりもシンプルでわかりやすいものだと思います。ただし、みなさんが慣れるまでは多少の混乱があるかもしれません。

 たとえば、今までは『洗濯機』マークがあったのですが、新表示ではなくなって『洗濯桶』マークに統一されているんです。ただ、『洗濯桶』マークしか記載がないからといって、洗濯機の使用はNGというわけでも、手洗いをしなくてはいけないということでもありません。

 また、洗濯に使う水の温度について細かく記載されるようになっていて、複雑に感じる人もいるかと思いますが、こちらに関しても、さほど気にすることはないでしょう。硬水の場合、温度によって洗剤が溶けにくかったり汚れが落ちにくかったりするので、それらの国では洗濯水の温度は重要なのですが、質の良い軟水が使用される日本では、ほとんど気にする必要はありません。日本のメーカーが日本向けに発売している洗剤を使っている限り、温度表記に関しては無視しても差し支えないレベルです」(毎田氏)

●洗濯機の容量ギリギリはかえって非効率?

 次に、意外と知らない洗濯にまつわる豆知識などを聞いた。

「大掃除がてら、年末に一気に大量の洗濯をしようと考えている人もいるかと思いますが、1回の洗濯で汚れ落ちの良さを追求するのであれば、洗濯機に定められている容量いっぱいに詰め込んで洗うことはおすすめしません。もちろん、メーカーが定めている容量のため洗えないわけではないですが、私の経験則から申し上げると、目いっぱいに詰め込んで洗うと汚れの落ちが悪くなってしまうのです。

 たとえば、最大容量が7kgの洗濯機であれば、1回の洗濯では5〜5.5kgぐらいにするなど、容量の7〜8割程度にとどめるのがベストでしょう。そのほうが毎回の洗濯がきれいに仕上がるため、結果的に効率も上がるはずです。

 また、この時期は室内干しで済ませてしまう人も少なくないと思いますが、室内干しをするのであれば、服を脱いでから洗濯機で洗うまでの扱い方がポイントになります。脱いだ服を丸めて洗濯カゴにドサッと入れたり、洗濯機の中に入れて放置したりしてしまうのはNG。汚れと一緒についている雑菌が増殖しやすくなるため、汗のにおいを育てるような行為です。

 そういう衣服を洗濯して室内干しすると、嫌なにおいがついてしまいます。そのため、服を脱いだら汗などの水分を飛ばす意味でも軽く干してから洗濯機で洗うのがいいでしょう。そうすれば、室内干しをしても嫌なにおいが気になることはかなり少なくなると思います」(同)

 意外にも、室内干しの悪臭対策は洗濯後より洗濯前の対応のほうが重要だったのである。

●頑固なシミ汚れを落とす裏技は洗濯前の○○

 この時期、「1年の汚れを落とす」という意味で、普段は洗わないカーテンなどを洗濯するケースもあるだろう。その際のポイントはなんだろうか。

「カーテンを洗う場合のポイントは、柔軟剤をきちんと使うことですね。柔軟剤は生地をやわらかくするだけでなくコーティングの役割も果たし、静電気を防ぐ作用もあるのでほこりや花粉が付着しにくくなるのです。余談ですが、タオルに柔軟剤を使うと、やわらかくなるのはいいのですが、実はコーティング効果によって吸水率が落ちてしまうというデメリットもあります。

 また、スニーカーやキャップ(帽子)も洗濯機で洗うことができます。それぞれ専用の洗濯ネットが売っているので、それを使えば洗濯機でも洗えるのです。特に、キャップは型崩れの心配があって『家の洗濯機では洗えない』と思っている人も多いかもしれませんが、専用ネットを使って弱めの設定で洗えば問題はありません。スニーカー用のネットなら、100円ショップでも売っていますよ」(同)

 さらに、頑固なシミ汚れを落としたい場合も、あまり知られていない裏技があるという。

「服にミートソースがついてしまった場合などは、洗濯機に入れる前に台所用洗剤をシミの部分に適量つけてもみ、すすいでから洗濯機に入れると汚れが落ちやすくなります。女性の場合は、シャツの首まわりにファンデーションなどの化粧品の汚れがついてしまうこともあると思いますが、その場合はオイルタイプのクレンジングジェルを同じように汚れ部分に適量つけてもみ、すすいでから洗濯機に入れるときれいになりやすいですよ」(同)

 ミートソースのシミには台所用洗剤、化粧品の汚れにはクレンジングジェルと、それぞれ“本来対応するもの”を使えば、服の汚れも落ちやすくなるということか。意外なようだが、話を聞けば理にかなっていると納得できる。

 今回紹介した裏技や豆知識を駆使すれば、1年を締めくくるにふさわしい洗濯ができるのではないだろうか。ぜひ活用してもらいたい。
(文=増田理穂子、昌谷大介/A4studio)