2016年の中国の出来事を振り返る「中国10大ニュース」。今回は南シナ海仲裁判決を取り上げる。資料写真。

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2016年に中国で起きた大きな出来事、話題となったニュースを10回にわたって振り返る。今回取り上げるのは、南シナ海仲裁判決。

南シナ海における中国の領有権主張には法的根拠がないとしてフィリピンが提訴した仲裁裁判―。オランダ・ハーグの仲裁裁判所は7月12日、フィリピンの言い分を全面的に認める判決を出した。

中国は以前から「いかなる結果も受け入れない」と表明しており、外交部報道官は6月下旬に出した談話で「同裁判所に管轄権はなく、審理、判決を行うべきではない」と改めて強調。判決が出た後も中国は「無効で拘束力もない」と猛反発し、中国メディアは「裁判官5人のうち4人が、元駐米日本大使が任命した」と、その公平性に疑問を呈する記事を掲載した。さらに中国最高人民法院(最高裁)は8月、判決に対する直接的な言及はないものの、南シナ海の領有権について「中国の領海への不法侵入があった場合は1年以下の禁固刑が科される可能性がある」との司法解釈を発表している。

一方、国民の間でもこの問題に対する不満を行動で示す動きが見られた。判決当日、ハーグの平和宮前には現地を訪れていた中国人ツアー客らが集い、国歌を歌って「南シナ海は中国のものだ」と主張。中国国内ではフィリピンだけでなく、日本、米国、韓国製品のボイコットを呼び掛ける民衆がケンタッキーフライドチキン(KFC)を取り囲むといった騒ぎが起きた。

中国とフィリピンの関係に注目が集まる中、前大統領に比べ中国寄りと言われるドゥテルテ比大統領は10月に中国を訪れ、習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談で全面的な関係改善に向けて取り組むことで合意した。習主席は南シナ海問題について言及した際、「すぐの合意が難しい問題は棚上げできる」と発言。同大統領はその後の安倍晋三首相との会談で「法の支配に基づき平和的に解決したい」と述べ、仲裁裁判所の判断を尊重すべきとする日本の側に立つと語った。同大統領は今月に入り「仲裁裁判所の判決を理由に中国にプレッシャーをかけることはしない」と表明し、「南シナ海の領有権問題で中国と戦争などしたくない」とも述べている。(編集/野谷)