関越道を降りて、いよいよ榛名山へ向かいます。上りのワインディングに入ると、やはりエンジン回転を引っ張ってシフトアップしていくのは楽しいですネ。

ただ高速ではどっしりと落ち着いていたステアリングが、ワインディングでは重ステに変貌。しかもヘアピンカーブ(昭和ワードです)がきつくなるほど、ステアリングが重くなっていきます。つまり速度が遅くなるほど、重さが増していくのです。

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パワステに慣れ切った我が身に重ステはきつく、上りの急コーナーで速度が落ちると「おもっ、おもっ、おもっ、」とひとりで叫んでいました。考えてみれば、フロントタイヤには500kg近い重量がかかっているのですから、重いのは当然といえば当然なのですが……

パワステのクルマなら、シフトノブに左手をおきながら右手でステアリングをクイッと曲げるところを、パンダトレノでは、両手でステアリングをよいしょとばかり回転させる感じでした。

運転しながら、そういえば頭文字Dの藤原拓海君が「腕力には自信がある!」って言っていたのを思い出しましたヨ。パンダトレノのスマートな外観と1t前後の軽量ボディとは裏腹に、ステアリングだけはやたら重いというギャップを感じながらドライブしておりました。

次はいよいよ聖地・榛名山の駐車広場から、ステアリングとアクセルに力を込めて、ダウンヒルへ突入です。ようやく重ステにも慣れてきたので、ヒール&トゥをぎこちなくかましながら、気分だけは藤原拓海君になりきります。

下りでは、エンジンブレーキが良く効くため、スピードのコントロールがしやすいですネ。 コーナー手前でヒール&トゥを仕掛けて、減速とエンジン回転とギアがバッチリ決まった時は、クルマがコーナーに吸い込まれていくような感覚が味わえます。個人的には、これがマニュアルを運転していて一番幸せを感じる瞬間です。

またトレノは本当に運転しやすく、ヒール&トゥも決まりやすいことに気づきました。FRらしく真正面に配置されたペダルやスポーツカーとしては高めの着座位置、回転に応じたパワーを発揮する1.6Lエンジンなどの総合バランスが、山坂道で絶妙にマッチしているのです。

もちろん筆者は、頭文字Dで繰り出されるような走りは到底無理。でもFRがもたらすナチュラルなハンドリングや己の四肢に力を込めてクルマを操る一体感、そしてダウンヒルで高回転型のNAエンジンをあおる感覚は、まさしく昭和のパッションそのものでした。

ただこれらは、FFベースで操作性と快適性、更にエコを重視する現在のクルマが失ってしまったもの。そんなトレンドの中で、FRでNAエンジンと四肢を駆使する楽しさを大切にするトヨタ86&スバルBRZやマツダロードスターには、心底敬意を表したいと思います。

今回は高速走行が多く、421km走ってハイオクガソリン指定の燃費は12.1km/l。昭和のクルマの遠乗り燃費は、これくらいが相場でした。レンタカー代は9時間で約1万円でしたが、パンダトレノに何を求めるかによって、評価が別れるかな?

レンタカーだからといって純粋に走りの性能を求めるには、さすがに昭和58年デビューの車種には酷というもの。旧車をレンタカーで借りる際は、事前に店舗へコンディションを確認した方が良いでしょう。

個人的には今回レンタルして、‐赦造寮捗媚代に浸りたい ▲┘鵐献鵑鬟屮鷁鵑靴徳り回りたい ワインディングでヒール&トゥを決めたい そ泥好&半クラが醸し出す昭和のロマンとやらを感じたい テ文字Dワールドでリア充したい等々と思う方々にオススメしたいですネ。

筆者はパンダトレノをドライブして、昭和の青春カーライフをこんなに濃厚に再現してくれるクルマは他にないと実感した次第です。

(星崎 俊浩)

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