世界中のユーザーからさまざまな映像がアップロードされるYouTubeには、数々のおもしろ映像が投稿されていて飽きることがありません。音楽関連でも「弾いてみた」系のプレイ動画をアップロードする人が多く、クラッシック曲・「パッヘルベルのカノン」をメタル調にアレンジしたカノンロックが人気を集めるなど、ギター弾きのコミュニティにはさまざまなプレイ動画が登場しています。

そんな中でも、1本のギターを2人で抱えて演奏する「Four Hands Guitar」というジャンルの動画がいくつもアップされており、妙技の数々を見ることができます。そんなムービーをいくつか集めてみました。

◆カントリー曲を2人でプレイ

まずはフィンガーピッキングギターの名曲「Jerry's Breakdown」を2人で演奏するムービー。1人がメロディライン、もう1人がベースを担当する演奏ですが、その見せ方がなかなかニヤリとさせられます。

Four Hands Guitar - YouTube

冒頭ではフィンガーピッキングギターの名手、アントワン・デュフォーが非常に早いメロディーを演奏。開放弦を絡めたカントリースタイルのプレイで、これだけ見ていても「すごい……」と見入ってしまうのですが……



ここに何やらもう1人が登場。「お、なんだ?」という小芝居を交えつつ近づき……



低音弦を使ってベースラインを演奏し始めました。この人はバイオリニストのトミー・ゴーサーで、2人はかつて一緒にユニットを結成して活動していたこともあります。軽快なカントリースタイルの曲を超絶的ピッキングでサラリと弾いてしまうあたりは、さすがプロの腕前。



ちなみに、原曲の演奏がコレ。ムービーでは45秒あたりから演奏が始まり、こちらでは通常どおりに1人1本のギターを演奏しています。

Chet Atkins & Jerry Reed "Jerry's Breakdown" 1974 HQ - YouTube

この楽曲は、フィンガーピッキングギターのゴッドファーザー、チェット・アトキンスと、歌手でありギターの名手でもあるジェリー・リードによるもの。両者のテクニックもさることながら、ムービー冒頭などで仲むつまじくイチャイチャする2人の様子も必見。



◆クラッシック曲も2人でプレイ

このように、複数の人が1本のギターを演奏するというのは昔から人気があるもので、誰もが知っている「トルコ行進曲」を2人が1本のギターで弾いている映像もあります。

Rondo Alla Turca - Marco Tamayo & Anabel Montesinos (4 hand guitar) - YouTube

華麗な運指とピッキングを見せる2人の演奏。いろんな意味で、両者の信頼関係がないと気持ちよく演奏することはできなさそうです。



◆ブラジルの名曲も2人で

ブラジル発の有名曲「ティコ・ティコ」をギターで。時おり、ギターの表面を叩いてパーカッションのような演奏をするシーンもあるほか、Four Hands Guitarならではの妙技が披露されるシーンも。

BRAZILIAN MUSIC INSTITUTE 2009 - TICO TICO (Guitar Four-Hand Exchanging) - YouTube

演奏している2人はブラジルの音楽大学で学ぶ学生の模様。技術はもちろん申し分ないわけですが、途中ではなんとお互いの右手と左手のパートを入れ替えてこともなげに演奏する様子が収められています。この女性の場合、自分は左手の運指を行いながら、パートナーが押さえている弦を右手でピッキングしているわけですが、その妙技を目の当たりにすると悶絶してしまうことうけあい。



◆コスプレしながらFour Hands Guitar

どこかで見たような衣装をまとった2人による映画のテーマ曲メドレー。

4 Hands guitar - LES CORDES A SAUTER - Movies' Medley - YouTube

「ハリー・ポッター」や「タンタンの冒険」、「インディジョーンズ」「スター・ウォーズ」などのテーマをつなげたメドレーですが、途中で出てくる「ナイトライダー」のあのテーマ曲を演奏する時には「歌う」という秘技を織り交ぜてきています。



◆違った持ち方でテレビドラマのテーマ曲を

これまでに紹介したものとは違い、ギターを垂直に立てて演奏するスタイルのFour Hands Guitarも。「ビバリーヒルズ青春白書」のテーマを2人で演奏しています。

90210 Twins one guitar - YouTube

腕がぶつかったり絡んだりしないのかと思いましたが、意外なほどフツーに聞こえてしまうのが驚き。右利きと左利きのギタリストがいる場合は、このスタイルのほうが自然なのかも。



◆5人で演奏する「Ten Hand Guitar」も

極めつけは、5人が1本のギターを抱えてゴティエの曲「Somebody That I Used To Know」を演奏する映像。歌モノの曲なので、途中でギターを弾きながら歌うシーンも登場します。

Somebody That I Used to Know - Walk off the Earth (Gotye - Cover) - YouTube

5人のパート分けはパーカッション、ベース、リズムギター×2とボーカルといったところ。しかし、一番右の男性は時おり右手でヘッド部分の弦を「チャラン♪」とならしているだけであり、左手に至っては「ヘッドを支えている」だけとなっているので、はたして「Ten Hand Guitar」といっていいものかどうか謎ですが、とにかくすごい演奏であることは間違いありません。



◆おまけ・その1

これまでは「1本のギターを2人で演奏する」というものでしたが、逆に「2本のギターを1人で演奏する」という技術を持つ人物も。ヘヴィメタル界ではその名を知らぬ人はいないギタリスト、マイケル・アンジェロ(または「アンジェロ先生」)によるダブルネックギター「ダブル・アックス(=2つの斧)」の演奏がこちら。メロディをツインハーモニーで奏でるほか、ヘヴィなリフをダブルで刻むという妙技の数々。

Michael Angelo Batio: Double Guitar Shred Medley - YouTube

◆おまけ・その2

また、1本のギターで2つのメロディを同時に弾くというプレイも。チェット・アトキンスから受け継がれるフィンガーピッキングギターの現代の名手、トミー・エマニュエルによる演奏では、低音弦と高音弦で別のメロディを演奏するという離れ技が繰り広げられています。

Tommy Emmanuel - Jerry/Chet - one of the best ever! - YouTube

「アルプス一万尺」として日本では知られているアメリカの歌「Yankee Doodle」と、主にアメリカ南部で愛された「Dixie's Land」のメロディを同時に弾くというもので、このプレイも実はチェット・アトキンスが有名にした楽曲「Yankee Doodle Dixie」からのもの。ムービーでは、Yankee Doodle Dixieからオーストラリアの国民曲「Waltzing Matilda」に美しくつながる部分が見事。



◆おまけ・その3

冒頭で触れたように世界的ブームを巻き起こしたカノンロックですが、中にはネタ的なものがアップされることも。以下の演奏は一見すると普通にギターを弾いているように見えるのですが、良く見てみるとなんと弦が一切張られてないというもの。いわゆる「エアギター」にも似た状況なわけですが、イントロのボリューム奏法やリフの刻み、タッピング奏法などの様子はかなりの弾き手であることが感じられる映像となっていました。

Canon Rock w/o strings . Enjoy - YouTube