米アマゾンが12月27日に一部だけ公開した、ホリデーシーズン(年末商戦)における販売データによると、今年は有料の会員制プログラム「Prime」や、同社の商品保管/配送業務「Fulfillment by Amazon」を通じて配達された商品の数が10億点を超え、同社にとって過去最高の年になったという。

アシスタント端末がベストセラー商品に

 販売が好調だったのは、同社の人工知能(AI)技術を使った家庭向けアシスタントサービス「Alexa」に対応する製品。

 これには、音声アシスタント機器の「Amazon Echo」とその小型版「Echo Dot」のほか、映像配信端末「Fire TV Stick」、タブレット端末「Fireタブレット」などがあるが、これらはいずれも全商品カテゴリーを通してベストセラーリストの上位に入った。

 このうちEchoシリーズの販売は昨年実績の9倍以上。とりわけEcho Dotはギフトとして購入された商品のトップとなり、今年3月に初代モデルを発売して以来、「世界中で数百万台が売れた」(同社)という。

 アマゾンはEchoシリーズをはじめとする同社製品について、販売台数を明らかにしないことで知られており、これらが具体的にどれだけ売れたのかは分からない。

 だが、英ロイター通信の報道によると、アナリストらはAlexa対応機器の年初来販売台数は400〜500万台と推計している。

 あるアナリストによると、この台数は依然、アマゾンの業績を大きく押し上げるものではない。しかし顧客は音声命令によって様々なアマゾンのサービスを利用するようになっており、商品の注文もAlexaに頼んでいる消費者も少なくないという。

 近い将来これらの端末がさらに普及すれば、アマゾンのeコマース事業はさらに成長する可能性があると、アナリストは指摘している。

モバイルショッピングが72%に

 このほかアマゾンが公表したデータを見ると、有料の会員プログラムのPrimeは、無料体験者の数がこれまでのホリデーシーズンのそれを上回った。

 また最短1時間以内で配達する「Prime Now」の利用は12月23日がピークとなり、この日の注文は昨年の3倍以上だった。この日、米国で最も多く注文があった商品は、前述のEcho Dot、Amazon Echo、Fire TV Stickと、「オレオ」のクッキーだったという。

 ホリデーシーズンを通してアマゾンでショッピングした顧客の約72%はスマートフォンなどのモバイル端末からアクセスしており、同社の無料ショッピングアプリの利用は昨年から56%増えた。

 11月第4木曜日の感謝祭(今年は11月24日)の翌週月曜日に当たるサイバーマンデー(今年は11月28日)は、eコマースの売り上げが急増すると言われるが、この日、アマゾンへのエレクトロニクス製品の注文は1秒当たりにおよそ46件あり、玩具は同36件あった。

記録的な繁忙期を支えた物流拠点

 こうして活況を呈したホリデーシーズン中に、フル稼働で対応したのがアマゾンの物流拠点だ。同社によると、米国では20万人以上の正規/臨時従業員がこの記録的な繁忙期の需要に応えた。

 アマゾンは過去2年間で十数の物流拠点を新規に開設しており、その多くではロボット技術を導入している。例えば同社は今月初旬、神奈川県川崎市にある物流拠点に「Amazon Robotics」と呼ぶ自走式ロボットを導入したと発表した。

 これは商品棚を自動で従業員のいる場所に運ぶというシステムで、作業時間の大幅な短縮を図っている。同社によると現在、世界20以上の物流拠点でこうしたロボットが約4万5000台稼働しているという。 

筆者:小久保 重信