「Thinkstock」より

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 インフルエンザの季節がやってきた。

 インフルエンザは感染後約2日すると、くしゃみ、空咳、のどの痛み、頭痛、悪寒、発熱、関節痛、だるさなどが襲ってくるが、特徴的な所見としては、「節々の痛み」(関節痛)としばしば発現する「39.0℃以上」の高熱である。この高熱が数日以上続くなら、「肺炎」を合併していることもあるので要注意だ。

 第一次大戦中、ヨーロッパで猛威をふるったスペイン風邪(A型インフルエンザウイルス)は戦死者の80%の死因となったされる。その後全世界に拡がり、3000万人の死者を出した。日本には1919年(大正8年)にこのインフルエンザが上陸し、当時の人口の3分の1が罹患し30万人の死者が出た。怖い病気ではある。

 インフルエンザウイルスは毎年少しずつ性質を変えてくるので、ワクチン接種は毎年必要である。

 インフルエンザは、以下の原因によって起こる。

(1)インフルエンザウイルスは雑踏のなか、電車内などに空中浮遊しているので、それを吸い込む
(2)患者のくしゃみ、せきを直接、鼻、口腔に浴びることで、同ウイルスが体内に侵入する
(3)ウイルスが付着した手、服を介して、自分自身や第三者の口や鼻に感染する

 鼻やのどの粘膜に付着したインフルエンザウイルスは、約20分で細胞の核の中に入り込み、複製を開始し、約8時間後には多数のウイルスが誕生して、表面に出てきて、前述の症状が出てくる。

 よって予防は、一般的にいわれているように、マスクの着用、うがいや手洗いの励行が大切になる。

●免疫力が大いに関係

 しかし、インフルエンザウイルスが体内に侵入してきても発症しない人もいるので、その予防には、免疫力が大いに関係している。インフルエンザにかかりやすい免疫力の弱い人は、次のとおり。

(1)50歳以上の人
(2)(心臓、肺、肝臓などの)慢性病をもっている人
(3)糖尿病や腎不全、エイズの患者
(4)長い間、アスピリンなどの解熱剤を服用している人
(5)妊婦

 インフルエンザは「怖い病気」ではあるが「流行性感冒」ともいう。つまり、風邪症候群のひとつでもある。「風邪」は英語で「cold」という。よって気温や体温が「低い」とかかりやすいわけだ。

 よって、インフルエンザの予防には、以下の対策がある。

(1)体を冷やさない。それには煮物、鍋物、熱い味噌汁など、食べている端から発汗するようなものを常食する。
(2)ニラ、ニンニク、ネギ、玉ねぎ、塩分、生姜など、体を温める食物を存分に使った料理を食べる。
(3)疲労や寝不足をさける。
(4)食べすぎをしない。意外に思われるかもしれないが、食べすぎると、消化するために、胃腸に血液が集まり、人体最大の発熱機関である筋肉への血流が比較的少なくなって、発熱の低下→体温低下→免疫力の減弱が起きるからだ。
(5)シャワーで済ませず、湯船にゆっくり浸かる入浴習慣をつける。

 なお、節々の痛みや39.0℃以上の高熱が発現したら、近くの病・医院ですぐ受診し、タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザウイルス薬を処方してもらう必要がある。

 しかし、それが不可能な場合、薬局(薬剤師)に相談し、漢方薬の「麻黄湯」(麻黄、杏仁、桂皮、甘草より成る)を処方してもらうとよい。発汗、解熱を促し、関節痛や種々のインフルエンザの症状に効く。抗ウイルス効果も発揮する。もし「麻黄湯」がない場合、一般の風邪薬で有名な「葛根湯」でも効く。

 また、紅茶の赤い色素「テアフラビン」は抗インフルエンザ効果があることが確かめられている。よって熱い紅茶にすりおろし生姜又は粉末生姜(ジンゲロン、ショウガオールなどの辛味成分に、抗ウイルス、抗菌効果あり)とハチミツや黒砂糖を加えて、ご本人にとって一番「旨い」味にして、1日3杯をめどに飲まれるとインフルエンザ予防になる。紅茶で1日数回「うがい」」するのもよい。
(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)