Inc.:年末のこの時期は、誰しも忙しいもの。時間の使い方のエキスパートによると、余暇やリラックスの時間を含めて、慎重にスケジュールを組むことが大切とのことです。

たとえば、生産性に詳しい作家Laura Vanderkam氏の主張によると、週末を最大限に活用するためには、事前にスケジュールを組んでおくことが必要なのだそう。そうすることで、当日になってから、大切な時間をどう埋めようかと考えることに時間を取られずに済みます。それだけではなく、事前にそれらの活動を予測して楽しむことで、喜びも増すというのだとか。

未来へのタイムトラベル、すなわち予測は、あらゆるイベントで得られる大きな幸福の主要因なのです。


Vanderkam氏は、成績優秀者の時間の使い方を熱心に調べ、一般的には生産性のアドバイスにおいて極めて信頼のおける発信者とされています。

しかし、少なくともこの点においては、科学は彼女の味方ではなさそうです。ある研究において、余暇時間を事前に計画すると、喜びの多くが奪われるという結果が示されたのです。


計画は週末を台無しにする


オハイオ州立大学でマーケティングを教えるSelin Malkoc助教は、『The Coversation』において、計画が少ないほど幸福度が高まるという研究結果を示しています。


13の研究によって、スケジュールを組むというシンプルな行為が、楽しかったはずのタスクを仕事のように感じさせることがわかりました。また、楽しみのレベルも低下します。

たとえばある研究では、被験者に友人とコーヒーを飲みに行く想像をしてもらいました。半数は数日前に計画することを想像し、カレンダーに記しました。残りの半数は、突発的にコーヒーを飲みに行くことを決めたという設定です。その結果、このリラックスするはずの活動が、事前に計画されたことで、思い付きで行くよりも仕事っぽい「義務」「努力」「仕事」といった性質を持つようになることを発見しました。

多数の追加研究において、映画や外出といった楽しいことを計画するだけで、もともと定期的に行っていたことでも、新しいことや特別なことでも、あるいはその日はほかに何の計画がなかったとしても、仕事のような感覚になることを発見しました。


計画が喜びを台無しにする理由


クッキーは、食べたいときに食べても、カレンダーに記された時間に食べても同じようにおいしいはずです。友達と会うのも、路上で偶然会うことと何週間も前から計画して会ことに違いはないはずです。では、思い付きと計画で喜びに違いがあるのはなぜなのでしょう?

Malkoc氏は、計画することで時間について考えなければならないことに問題があると考えています。私たちは厳密なスケジュールを仕事の時間と関連付ける傾向があります。つまり、この種のスケジューリングを楽しい活動に適用してしまうと、仕事っぽく感じられるようになるのです。たとえば学生ボランティアが、屋外活動の日に1日中時間を気にせずに活動をする場合、まったく同じことを事前に決められたスケジュール通りにするよりもずっと楽しむことができるでしょう。


どの程度の楽しみを計画すべき?


Malkoc氏によると、余暇の活動を一切計画してはいけないわけではないそうです。実際、朝起きて思い付き、その日のうちに急流下りを楽しむなんてことは現実的ではないでしょう。多くの娯楽がそうであるように、必要なものを買ったり、友達と予定を合わせたり、移動方法を計画したりといった事前準備が必要です。

では、この研究から何が言えるのでしょうか。それは、緻密にスケジュールを埋めるのではなく、できるだけゆとりを持って何もしない時間を残しておくことで、人生の喜びが得られるということです。

Makoc氏はこのように結論付けています。

次に計画を立てるなら、柔軟性を残しておきましょう。縛られている感覚が減り、楽しみも増えるはずです。


Science: Making Too Many Plans Actually Ruins Your Weekend | Inc.

Jessica Stillman(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.