RIZINの試合、そしてヒクソンやトランブ次期米大統領についても語ったミルコ

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12月29日&31日に、さいたまスーパーアリーナで開催される『RIZIN』において無差別級グランプリのトーナメントが行なわれる。

この最大の目玉とされた、ミルコ・クロコップ×ヴァンダレイ・シウバの一戦は、シウバの欠場により流れてしまったが、19日、注目のミルコの対戦相手が前年のRIZINヘビー級グランプリ王者のキング・モーと発表された。モーは前ベラトール王者という実績もあり、ミルコにとってはシウバ以上の難敵となることは間違いがない。

実は『週プレ』は11月の段階で、母国クロアチアのザグレブにいるミルコに接触。グランプリ制覇に向ける意気込みを聞くことに成功していたが、対戦相手が正式決定したところで追加取材を敢行。試合当日まであと僅かとなったこのタイミングでようやくミルコの最新状況を含めた心情を公開するに至った。

また、グランプリ関連以外にも、ヒクソン・グレイシーとの対話やトランプ大統領就任への思いなどを前編記事に続き語ってくれた。

* * *

―今回、目玉だった元UFCの暫定ヘビー級王者のシェイン・カーウィンが息子の親権争いにおける法廷問題で欠場と、ありえない形で不参加になりました。

ミルコ シェイン・カーウィン? その話はいったい何だったんだ? 曲がりなりにも元UFCの暫定ヘビー級王者だ。契約したなら来いと言いたいね。

―ところで、最近は日本でも女子格闘技が盛り上がりを見せ始めました。エメリヤーエンコ・ヒョードルは「MMAは女性がするものではない」とコメントしていますけど、ミルコさんの見解はどうでしょうか?

ミルコ まず、女子格闘技に対してあまり批判はしたくない。しかし、確かに女性同士が互いに殴り合うのを見るのは個人的には好きではないね。あくまでも私の意見だけどね。でも、時代が彼女たちを追い立てているようにも思う。最近はスキル、スタミナやコンディションにおいて男性よりもよほどプロフェッショナルに見える女性ファイターも多い。

―「女子最強」といわれるブラジル人柔術家、ギャビ・ガルシアについてはどう思いますか?

ミルコ 彼女はとても大きい。男よりも大きい(186センチ、93キロ)。そして柔術のチャピオンになっていることも知っているよ。彼女の場合はサイズ的にもウエイト的にも対戦する女性ファイターを見つけるのは難しいだろうね。いうなれば独占カテゴリーじゃないかな。

―柔術といえば、先日、日本で柔術の大家であるヒクソン・グレイシーと話をしたそうですね。

ミルコ 9月の試合の翌日、宿泊していたホテルでヒクソンとすれ違ったら、彼が私の試合運びを褒めてくれたんだ。「ブラウンベルト(茶帯)くらいはもらえそうかな?」と聞いたら、「もちろんさ」と言ってくれた。とても嬉しかったよ。誇りに思う。ヒクソンはレジェンドだからね。

―あのヒクソンですからね。

ミルコ 一方で私はグラウンド(寝技)で立ち向かうことをもう恐れてはいない。あえてグラウンドに持っていくことだって選択肢の一つだ。以前はMMAで闘う時はグラウンドにいくことに一抹の不安があったけど、今はまったくない。力の抜きどころもわかってきた。それは場数を踏んできたからで、ライバルに対して躊躇しない自信がある。もしチャンスがあれば、グラップリングの試合にも挑戦してみたいね。グラップリングにはとても興味がある。



―本当ですか!?

ミルコ もちろん。ただ、もしグラップリングマッチをするにしても、初戦からヒクソンとやりたいとは絶対に言わない。彼はレジェンドすぎるからね。彼のような柔術のマスターと比較したら、僕なんてただのネズミだと思っているよ(笑)。

―ところで以前、クロアチアの国会議員でもあったミルコさんにお訊ねします。先ごろアメリカの大統領に選出されることになった、ドナルド・トランプ氏についてどう思いますか?

ミルコ それはクロアチアの話題じゃないけど、私の意見を話そう。彼は確かにパワフルでしたたかだと思うよ。ただ、アメリカ大統領になったからと言ってすべてを一人で決めるわけではない。もちろん、アメリカの政治が世界に大きな影響を与えることは間違いないけどね。選挙日前はたくさんの人が批判的だったが、今のところ、世界のマーケットには好影響を与えているよね。結果としてトランプはチャンスをつかんだのさ。

―チャンスを?

ミルコ 彼が大統領にもなれる、そしてアメリカという巨大な船のかじ取りもできるということを証明するチャンスをつかんだと思うね。ホワイトカラーは「大統領はヒラリー・クリントンじゃないのか?」と言っていたけど、アメリカ国民はトランプに一度チャンスを与えてみようと思った人の方が多かったわけだから。これも民主主義の結果なんだ。

―トランプ氏が大統領になることはクロアチアにとって良いことですか?

ミルコ 彼はアメリカの大統領になるわけだけれども、アメリカが世界の政治をすべて決めるわけではないからね。アメリカの政治はアメリカのもの。彼らは彼らの国益を守る。それはどの国もそうだろう? もし私がクロアチアのトップに選ばれたとしたら、私はクロアチアの国益を守る。だから、なぜトランプが選ばれたことをそこまで意識するのか理解できないね。民主主義の選挙で選ばれたわけだから、自由を象徴した結果なんじゃないかな。トランプは何かを変えることができるのか…。アメリカ国民は期待と不安の中で就任式を待っていると思うよ。

―最後に今後の抱負をお願いします。

ミルコ 年末は1万人を超える観客が会場に集まる。無事に勝ち抜いて、ベルトを締められるように頑張るよ。とてもハードな戦いになるだろう。誰もがベルトを締めることを夢見ている。そのためにハードなトレーニングしてきたはずだ。グランプリ王者になることは簡単ではないが、どの試合に対しても、どの相手に対してもベストを尽くすよ。みんな待っていてくれ!



(聞き手&撮影/鈴木さやか 構成/“Show”大谷泰顕)