上海市内の中心地にも関わらず実在した「ニーハオトイレ」。扉が無く非常に開放的。水は奥で用を足した人間のみが使用できる。写真は筆者撮影。

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今回はちょっと下品なお話。「上海にもニーハオトイレはあるのか」との質問を受け、探してみた。いくら中国とはいえ、ここは世界でも有数の経済都市、天下の魔都上海。そんな都市伝説が上海にある訳がないじゃないか…と思っていたら案外簡単に見つけてしまった。

ニーハオトイレとは、個室と個室の間に仕切り・ドアがない、または非常に低い状態のトイレのこと。写真を見ての通り、横の仕切りは非常に低く(約1メートル前後)扉すらない上、排泄物は同じルートを辿っていく仕様。「あっ今日アイツ下痢気味だな?」というのも下流にいるとバッチリ把握されてしまうのだ。

場所は地下鉄「虹橋路駅」すぐ近く。高架下沿いに並ぶビルの内部にある公衆トイレである。「虹橋路」駅は、環状線である4号線、南北東西に市内を縦断する3号線、10号線との乗換えができ、日本人も多く住む付近ということもあり、発見時はかなりの衝撃を受けた。

2015年から中国国家観光局は「トイレ革命」と題して、3年以内、つまり2017年までに旧式トイレ2万4000基を改修、新たに3万3000基のトイレを新設。最終的には観光地、人口密集地における全てのホテルや娯楽施設で清潔なトイレを使えるようにする、という計画を推し進めている。

くしくも11月19日には中国国家観光局の李金早局長ら幹部が集結して「世界トイレデーおよび中国トイレ革命宣言」記念式典が北京で行われたばかり。現在の進捗状況に関して「全国で2万7137基のトイレを新設、1万2256基のトイレを改修、計3万9393基を完成させ、69.11%の進捗である」旨を大々的に発表したタイミング。

「我々は今後もトイレ革命を推進していき、世界のトイレ文化の発展に貢献する」と鼻息を荒くしているのだが、上海市内のど真ん中にさえ「ニーハオトイレ」が残る現状を、彼らはご存じないようだ。個人的には贅沢を言うつもりは無いので、せめて尻を拭いた紙くらいはトイレにそのまま流せる程度までは、下水の整備を行ってもらいたいと切に願う次第だ。

■筆者プロフィール:川崎健太郎
経歴:1988年、神奈川県川崎市生まれ。日本大学法学部新聞学科卒。富士見書房ファンタジア文庫編集部(現株式会社KADOKAWA)、時事通信社運動部を経て、2015年より一念発起し中国、上海市へ。中国語で挨拶もできない中で在駐日本人向け雑誌の編集、営業に携わる。専門分野はアニメ漫画等のサブカルチャーとスポーツ関係全般。