トランプ・米次期大統領の就任で、米中間は貿易戦争の様相を呈すだろう。その一環で行われる“中国による報復”の影響を、日本をはじめ韓国や台湾の在中企業が被る可能性が高い

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 2017年、中国経済を展望する上で「米中貿易」が大きなカギとなる。ドナルド・トランプ氏が新大統領に就任すれば、間違いなく米中間の貿易戦争の可能性は高まるからだ。

 米中間だけではない。韓国と中国、台湾と中国、そして日本と中国、その貿易戦争の火種はあちこちでくすぶりを見せている。“中国による報復”が、これまで順調だった経済の流れに大きな影響を及ぼそうとしている。

「トランプ氏は、自分がわかってないということをまるでわかっていない」――

 中国のエコノミストはあきれ顔でこう語る。12月2日、正式な外交関係のない台湾の蔡英文総統がトランプ次期大統領と行った電話会談は、「トランプ分析の分水嶺になった」といい、1979年以来の前例を破るトランプ氏を「想像以上の無知だった」と語る。

 当選当初は「彼は商人だから気脈が通じる」など、交渉のしやすさが評価されて米中関係を楽観する声も少なくなかった。転じて今は評価の見直しが進む。

 今まで常識とされたタブー行為すら、トランプ氏はまったく意に介さない。誰もが敏感になった「中国のメンツを潰す行為」は、トランプ氏にはまるで関係ないかのようだ。この「無知」ぶりこそが中国にとっての脅威になってきた。

 そのトランプ氏が大統領に就任すれば、いくつかの公約が実行に移されるだろう。例えば、「中国から輸入する全品目に45%の関税を課す」というのは、同氏が指名争いで掲げた政策のひとつだ。もちろん、これだけにとどまらない。

 2016年、中国による対米直接投資は300億ドルにも上ったことが米コンサルティング会社Rhodium Groupの調査で明らかになった。すでに在米の中国企業は1500社を超えると言われているが、トランプ氏は「この中には“規則を守らない中国企業”もある」と言及し、安全保障上の懸念を強めている。何らかの策が講じられる可能性も高い。

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