パリでこのほど開催された人気下着ブランド「ヴィクトリアズ・シークレット」のファッションショーで、中国人消費者をターゲットにした「ドラゴン」がテーマの下着が発表された。だが中国人の間ではすこぶる不評だったという。

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パリでこのほど開催された人気下着ブランド「ヴィクトリアズ・シークレット」のファッションショーで、中国人消費者をターゲットにした「ドラゴン」がテーマの下着が発表された。だが、「俗っぽくて美しくない。中国文化を表しているとは言えない」と中国人の間ではすこぶる不評だった。なかには、「あまりにも失礼だ」と憤慨する人までいたという。米フォーブス誌の報道を引用して環球時報が伝えた。

「ヴィクトリアズ・シークレット」がミスを犯した原因は一体どこにあったのだろう?まず、中国文化に対する理解が表面的で薄いものであれば、消費者を惹きつけることは不可能だ。中国伝統文化において、「龍(ドラゴン)」は皇帝を意味しており、尊敬すべき神聖な象徴である。ドラゴンをセクシーな体をアピールする下着と組み合わせたことに対し、中国人は不快に感じた。少なくとも、妥当な行為ではないと思った。

次に、下着に対して興味を持つ中国人消費者は、ほとんどが改革開放時代に大きくなった若者たちだ。現代社会の考え方が、すでに彼らに深く浸透している。欧米のライフスタイルに魅了されている彼らにとって、「ドラゴン」は、極力そこから抜け出したい「古い社会」のシンボル的存在である。だが、これは決して、彼らが自国の文化を認めていないという意味ではない。彼らは、中国文化に対する誇りと欧米の消費主義との間をさまよっているのだ。

このような問題を解決できたブランドが、中国人消費者から共感と愛顧を獲得した。その点で大きな成功を収めたのが「ナイキ」だ。ナイキの「Just Do It」の広告は、中国人の間で広まり、多くのファンを得て、伝統に反旗を翻すようインスピレーションをもたらした。この広告は、スポーツ用品の広告ではあるが、それだけに留まらなかった。

儒家思想をベースとした伝統社会において、中国の若者は、「功績を上げ先祖の名声を高める」という期待を背負わされ、家庭や社会からプレッシャーをかけられている。また、中国文化は「集団」という考え方をことのほか重視しており、同年齢の人々と同じように振る舞い、流行ファッションを追う。だが、ナイキの広告は、「栄誉を得る必要はなく、有名になる必要もない」と訴えており、このメッセージが若い中国人の間で強い共感を生み、彼らの心を大きく揺さぶった。中国では、今後10年、ミレニアム世代が消費をリードする消費の主力軍となるだろう。彼らを深く理解して初めて、そのハートをしっかりと掴むことができるといえる。(著者:王ヘレン)(提供/人民網日本語版・編集/KM)