今季はメジャーを含む2勝を挙げた鈴木愛(撮影:米山聡明)

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 今季国内女子ツアーで活躍した注目選手の強さの要因を探る“Playback LPGATour2016”。第5回目は今季『中京テレビ・ブリヂストンレディス』でツアー通算2勝目、そして『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』で自身2度目のメジャー制覇を達成をした鈴木愛をフォーカス。ツアーフル参戦3年目での獲得賞金1億円突破、賞金ランク5位に浮上することができた秘密をツアープロコーチの辻村明志氏に解説してもらった。
【連続写真】鈴木愛は体が上下動しない低重心スインガー(写真10枚)
 「15年から16年にかけては広背筋の可動域が大きくなったことでスイングに安定感が生まれています。また2014年まではフェード一辺倒でしたが、今年はドローとフェードを上手く使い分けている。昨年のパーオン率は49位ですが、今年は29位へと上昇しました」と、宮里藍の大会最年少優勝記録を更新して注目を浴びた『日本女子オープン』での初優勝時から“バーディが奪える選手”だったが、昨年から今年にかけては球筋を打ち分けることでスコアメイクに磨きがかかっていると辻村氏は分析。
 鈴木と言えば、「彼女のキャディさんの帰りは必ず日没です(笑)。時間ではなく日が暮れることが終わりの合図。納得のいかないときは、携帯電話の灯りで練習していることも見かけます(辻村氏)」とツアー関係者のなかでは知られた“パット練習の虫”。平均パットはつねに上位で、2014年6位、2015年3位、そして今年は初の1位を獲得。パッティングでゴルフを組み立てるプレースタイルで、短い距離から順に上手い選手という印象だが、ショット練習に関してはスイングポジションに細かくこだわるタイプではないとか…。
 「ドロー、フェードの球筋のイメージからスイングするタイプで、その週ごとに調子の良い方の球筋でスコアメイクを行っています。練習場でのルーティンドリルはなく、ひたすらに球筋だけを考えて練習。スイングチェックをガチガチにしない分、アドレスが“超自然体”で、終始重心が低く、力みのない姿勢をキープできています(辻村氏)」
 ただパーオン率29位からトップ10を目指すのであれば“ミート率とボールの高さ”は必須条件で、辻村氏もさらなる活躍のためのスイング修正を期待する。
 「グリーンの固いセッティングで、もう少しボールを上から落としたいと思っているはずです。スイング写真を見てもらえればわかりますが、アドレスからトップにかけて、頭が大きく右に動くことでスイング軸が傾き、体からボールが外れることで打点の狂いが生じる場面があります。バックスイングでの右側へのスウェーが半分になると、もっとボールへのコンタクトも良くなる。彼女の特徴である逆ループスイングは、スウェーを戻そうとする反動で入射角を悪くなるケースがありますが、軸移動の少ないスイングになれば、下半身の切れが生まれ、自然とボールにキレも出て、浮き上がってくれます。
 彼女はクラブの入射角が上から入り過ぎるクセを改善しようと努力している。入射角を浅くするため、ショートアイアンやミドルアイアンでドライバー程のティアップをし、高弾道のボールを打つ練習を取り入れています。みっちりとスイング修正に取り組めるオフに課題を克服できれば、間違いなく打倒・イボミの急先鋒になることでしょう(辻村)」
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、濱美咲らを指導。上田の出場全試合に帯同し、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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