【呼吸から健康を支える】 緊張をゆるめ、安眠を導く「丹田呼吸法」

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深い呼吸が健康を促進するということは、すでに多くの方が認識しているかと思います。そこで、心新たに迎える新年は「健やかな一年になるように」の願いをこめて、いまいちど“呼吸”の見直しはいかがでしょうか。
 
今の時代、パソコン操作を含めた長時間のデスクワークや、スマホの操作など、首が前に出て猫背になり、悪姿勢になる条件下に身を置く私たち。その結果、胸郭がつぶれ、効率的なガス交換が行えないことから、疲れやすさやイライラなど、様々な不定愁訴を訴えることが多くなりました。
 
視神経を酷使して、自律神経における交感神経(興奮・戦闘モード)が優位になったままだと、全身の筋肉が継続的な緊張をしている臨戦状態。これでは当然、リラックスできませんね…。そこで注目したいのが、中医学をはじめとした東洋の知恵で、ヨガや気功、武道といった身体論でも重んじられているツボのような場所。ヘソから指四本分下にある、「丹田(正式名称:臍下丹田(せいかたんでん)」を意識した呼吸法です。
 
丹田は“気の心臓”と呼ばれ、生命力を司るスポット。この丹田に向かって横隔膜を動かし、深い呼吸することで肺や内臓の強化を行いつつ、自律神経のバランスを整えて、おだやかな精神状態をつくり、適度にゆるむ心地よいリラックスを身につけることが可能になります。

呼吸効率を高めるウォーミングアップ!

首から背中にかけては自律神経が走り、特に頸部は交感神経の重要な中継地点。また、“首が回らない”という慣用句があるように、心配事やストレスといった、精神的な側面も首に深い関係があると考えられています。そこでまずは、首のコリをケアすることで、心身ともに緊張をほどき、やわらかで質のよい呼吸を招く準備を行います。

1.首のサイド伸ばし

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あぐらか正座、楽な姿勢で座り、背筋をすっきりと伸ばす。リ右手はだらりと床にたらし、左手は頭に乗せる。吐く息に合わせて、左手でごく軽く引きながら頭を左側へ倒す(必ず、痛む手前で止める)。そのまま3呼吸キープ。吸う息で、左手を下ろし、頭を中央に戻す。目を閉じ、余韻を感じる。手を入れ替え、反対側も同様に行う。

2.首まわし

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座った姿勢のまま、両手はヒザに置く。はじめに、頭を下に向ける。吸う息に合わせながら、時計回りで頭を回し上げる(顔が上に向く)残りの半周は、吐く息に合わせて回し下げる。決して急がず、ゆったりとした呼吸のスピードに合わせて。次に、反対回しで1回転。左右交互に2周ずつ行う。終了したら、目を閉じたまま、首がじんわりとゆるむ余韻を感じる。

実践!丹田呼吸法

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肺の下にある「横隔膜」をしっかりと上下させながら、呼吸運動を行うのがポイント。浅い呼吸のクセによって委縮した呼吸筋(呼吸を行うための筋肉)を整えます。さらに、横隔膜には自律神経が密集しているので、吐く息をよりゆったりと長くなるようにコントロールすることで、自律神経を刺激し、副交感神経(リラックスモード)のスイッチをオンに。これによってスムーズな入眠へと繋がります。
 
また、両手をおヘソの周りに置くことで、丹田への意識と、“下腹が動きているか”深い呼吸の確認が行えます。

足を軽く開き、仰向けの姿勢で寝転ぶ。寝転んでも身体の節々に緊張が残る場合は、つま先をゆらゆらと動かし足の付け根をほぐし、頭を左右にゆすりながら首の付け根をほぐすとよい。準備が整ったら、両手の親指と人差し指同士をつけ、おへそを中心にした三角形を作る。まずは、身体の中にある息をすべて吐き切りながら、肩の力を抜く。鼻からゆっくりと息を吸いながら、横隔膜を下げるように、下腹(手を置いたおヘソの辺り)に空気を満たしつつ、軽く膨らませる。そのまま、取り込んだ酸素を全身に拡散させるようなイメージで3秒間、息を止める。ゆっくりと息を吐きながら、身体の緊張が抜けていくように、下腹を軽く凹ます。心地よい範囲で、ぁ銑Δ鬚靴个蕕繰り返す。

 
日々の生活のなかで「常にゆるんでおく」のは不可能ですが、たとえば1時間に1回、仕事や家事の手を止めて、姿勢と呼吸に意識を向ける習慣をつけるのはいかがでしょうか。イスに座ったまま姿勢を見直し、たった1分間、丹田に手を置きながら、呼吸に意識を向けるだけでも◎!
 
ご自分を観察するクセをつけ、気づいた時に、無駄な力みや緊張をゆるめる習慣を身につけましょう。

photo:Thinkstock / Getty Images