米グーグルはこのほど、インド国内鉄道の主要駅に無線LAN(Wi-Fi)設置するプロジェクトが計画どおりに進んでいると発表した。

予定どおり、年内に100駅への設置完了

 これは同社が昨年9月に明らかにしていたもので、インド国民のデジタル化を推進するナレンドラ・モディ首相の構想「デジタル・インディア 」に沿った計画。

 グーグルはインド鉄道(インディアン・レイルウェイズ)とその傘下の通信事業者、レイルテル(RailTel)の協力を得て、同国の400に上る鉄道駅で、誰もが手軽に使える無料の公衆Wi-Fiサービスを提供するという計画を発表していた。

 その中期的な目標は、今年の年末までに100駅で公衆Wi-Fiサービスを始めること。これに向けて今年1月、西海岸のムンバイセントラル駅で最初のサービスを開始し、これを9月までに約50駅に拡大していた。

 そして12月22日、同国南部タミルナードゥ州の都市、ウダガマンダラムの駅で公衆Wi-Fiサービスが始まった。これにより、予定どおり2016年内に同国内100駅へのWi-Fi設置が完了した。

月間利用者数、500万人超に

 グーグルによると、これまでに公衆Wi-Fiを設置した100駅はインドでも特に乗降客が多い駅。その1日当たりの客数は合計1000万人になるという。

 ちなみに、JR東日本エリア内で1日の乗降客が最も多いのは新宿駅で、約76万人。このあと、池袋駅の約56万人、東京駅の約43万人などと続き、同社エリア内では上位67駅の合計が約1000万人になる。

 日本は際だって鉄道が発達しているため、乗降客数はインドを大きく上回るものの、同国もその人口の多さゆえに、鉄道利用客が多い国と言えそうだ。

 ただし、同国では携帯電話ネットワークの品質が低く、日本のように安定した通信環境で、ビデオを見たり、ビデオ通話をしたりすることができない。

 そこで、人々はこうした公衆Wi-Fiサービスが整備された場所に集まり、インターネットに接続して、必要な用事を済ませるという日々を送っているという。

 グーグルによると、このプロジェクトによるWi-Fiサービスの月間利用者数は500万人以上になり、同サービスによって初めてインターネットにアクセスするという人は1日当たり1万5000人に上るという。

鉄道駅以外のWi-Fi計画「Google Station」も同時進行

 そして、グーグルは今後もプロジェクトを継続し、計画通り400駅への設置を目指す。同時にグーグルは鉄道駅以外の公共施設にWi-Fiスポットを設置する取り組み「Google Station」も進める計画だ。

 こちらは同社が今年9月に発表した別のプロジェクト。同社は様々な商業施設の運営企業や通信事業者、インフラ企業と提携し、Wi-Fiスポット設置に必要なソフトウエアやハードウエアの手引きを提供している。

 これにより、例えばショッピングモールやシティーセンター、路線バスの停留所、カフェといった公共スペースに無料や有料のWi-Fiスポットを設置することを目指している。

 海外メディアによると、グーグルはいまだネットを利用していない10億人をターゲットにしているのだという。同社は今も、中国でそのほとんどのサービスが遮断されている。

 そうした中、同社はインドなどの急成長する新興国市場で新たな利用者を獲得し、広告収入の拡大につなげたい考えだと伝えられている。

筆者:小久保 重信